キリンは20年もトップブランドとして市場成長のけん引役となることを目指す。好調な「ザ・マイスターズ」をシリーズ化するため、3月17日には新商品「ザ・マイスターズ オレンジティー」を発売。「甘くない微糖」という価値はそのままに、オレンジの香りを加えて“大人のためのオレンジティー”に仕上げた。また、「ザ・マイスターズ ミルクティー」のリニューアルも実施する。
マーケティングにはブランドの社会的存在意義を重視する「パーパス・ブランディング」を取り入れて、成長を目指す。午後の紅茶の場合は、「『幸せの紅茶』をテーマに、お客さまの毎日に喜びのある瞬間を生み出す」ことを目的に事業展開しているという。マーケティング部部長の山田雄一氏は「従来は機能性などの訴求を重視していたが、それよりも『なぜ存在しているか』『何をやっているブランドなのか』を伝えて“共感”してもらうための取り組みを重視する。これからは、共感性がお客さまの選択基準になっていく」と説明する。
20年の具体的な取り組み内容については「まだ公表できない」(山田氏)というが、これまでも実践してきたように、広告やSNS、小売店の売り場などを活用してブランドのメッセージを発信していくと考えられる。「顧客接点において、午後の紅茶の『ときめく』世界観を伝えられたら」と山田氏は話す。
キリンは20年も紅茶飲料市場が4%程度成長すると見ている。ロングセラーブランドならではの“紅茶の価値”を発信し、消費者に届けることができれば、けん引役としての地位をさらに固めることができるだろう。
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