今回追加するスペースでは、スペースのオーナーが有料でチケットを販売することで収益を得られる仕組み「TiketedSpaces」も追加される予定だという。
一般的に、TwitterはYouTubeなどと異なり、アプリ内の仕組みとして収益化する術がなかった。そのため、これまでTwitterで収益を得るといえばインフルエンサーとして注目を集めることで、企業とのタイアップをしていわゆる「企業案件ツイート」などを行ったり、noteなどの外部サイトに誘導して、そこで有料コンテンツや商品を購入させたりする手法が一般的だ。
しかしTwitterは、そのような個人の収益機会をアプリ内部に導入することにも積極的である様子がうかがえる。今年にはTiketedSpacesの詳細のほか、「スーパーフォロー」の実装も控えているからだ。
スーパーフォローとは、気に入ったユーザーをお金を払ってフォローする機能だ。スーパーフォローをしたユーザー限定のコンテンツを閲覧できるという仕組みで、これによってフォローされた収益からTwitterのプラットフォーム手数料を差し引いた分がアカウント主の手取りとなる。これは、国内サービスでいえば「pixivFANBOX」に近い機能となると考えられている。
ただし、ファンの数に応じて線的に伸びるような線的な収益展開の仕組みとなっているため、一定以上のインフルエンサーでないとアルバイト以上の効率で収益を稼ぐことは難しそうだ。このように、有料スペースのチケットの定額販売やスーパーフォローによる月額定額課金にとどまっており、YouTubeや最近ではclubhouseやTikTokも提供する“投げ銭”機能は現時点でないようだ。
ここまで個人向けの収益化について触れたが、Twitterの経営戦略上はこれらのプラットフォーム手数料が全体に占める割合はごくわずかなものであり、主目標は依然としてBtoBの広告収入であることに留意しておきたい。Twitterの狙いはあくまでユーザーの選択肢を増やし、ライバルSNSへのユーザー流出を食い止めたり、新規ユーザーの獲得のための戦略であると考えられる。
中央大学法学部卒業後、Finatextに入社し、グループ証券会社スマートプラスの設立やアプリケーションの企画開発を行った。現在はFinatextのサービスディレクターとして勤務し、法人向けのサービス企画を行う傍ら、オコスモの代表としてメディア記事の執筆・監修を手掛けている。
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