「モスバーガーでは、ハンバーガー専門店として簡単に食べて頂ける『即食』を提供しているが、せっかくなら即食以外の方法で、週末の朝に彩りを持てるように、高価格帯の食パンを提供するのはどうかと企画がスタートした」(吉野氏)
また吉野氏は、高級食パンブームを背景に「市場参入」を目指したわけではないと説明する。実は同社、ここ数年物販の取り扱いを強化していて、食パンの販売もその1つだという。
19年度からの中期経営計画で、同社は「売上高の力強い成長と構造改革に全社一丸となって挑戦する」という目標を掲げる。その上で「国内のモスバーガー事業の収益性改善を最優先としながら、海外事業や新規事業の成長に向けた投資も高水準で実施」という主要戦略を打ち出している。
その一環として国内のモスバーガー事業では、消費者ニーズの多様化や商圏に合わせて提供する商品を柔軟に選択できる取り組みなどを開始。また、収益の多様化を目指し、新たな付加価値の創造という方針のもと、モスブランドを活用したコラボ商品を展開。新たなビジネス領域拡大を進めている。
20年8月には、UHA味覚糖(大阪市)とコラボした「つむモスグミ」を発売。グミの形を「バンズ」「パティ」「トマト」「レタス」のデザインとし、グミを積み上げて「オリジナルの“グミ”ハンバーガー」をつくれる商品だ。また、香川県の食品メーカー味源(あじげん)とコラボしたスナック菓子「モスバーガーポテト(テリヤキバーガー風味)」なども展開していた(現在はいずれも販売終了)。
コラボ商品は食品だけにとどまらない。ユナイテッドアローズが展開するブランド「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング」とコラボしたキッズ向けの帽子やTシャツ、エプロンなどを展開。同店のキッズ取扱い店舗やオンラインストアで販売している。
モスフードではこれらの取り組みを進め、21年度のトップライン目標(飲食店ビジネスの店舗売上高とその他ビジネスの売上高の合計)としてグループ合計で1550億円、24年度には2000億円を目指すとしている。
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