このときは、組織委員会の会長=橋本聖子氏に加え、東京都知事=小池百合子氏、オリパラ担当大臣=丸川珠代氏、さらには22日の夜にTBSの報道番組に生出演した組織委員会の中村英正統括らがこぞって、「調整」だの「検討」だのという言葉を繰り返しました。
ところが、23日に組織委員会の武藤敏郎事務総長は、酒類は提供をしない方針決定を受けて、「(酒類提供の方針から禁止へ変わったという)そんな事実はありません」と発言。
橋本氏、小池氏、丸川氏というそれぞれの組織のトップは、何をもって「検討」という言葉を使っていたのか? 全くもってわけが分かりません。
ワクチンに関しても、菅首相の「1日100万回!」の掛け声のもと、「自衛隊を動員して大規模接種だ!」、やれ「職域だ!」、それ「大学だ!」と、“接種率爆増計画”を進めたのに、「予想以上の申請数」「予想以上に接種が加速」といった理由で、現場にワクチンが届かない事態が起きてしまいました。
なのに、ワクチン問題に関係する“らしき”3大臣、すなわち、河野太郎大臣、西村康稔大臣、田村憲久大臣が入れ代わり立ち代わり登場しましたが、いったい誰が何の「責任者」なのかちっとも分かりませんでした。
田村大臣からは「自治体や医療機関に在庫がたまっている可能性があり、調整することが必要だ!」と言った発言があったのに対し、地方自治体からは「ワクチンが来ないぞ!」と反論が相次ぎました。それに対し西村大臣から「いやいや、自分たちでなんとかやってください」といった回答が来たとの報道もありました。そしたら今度は河野大臣も「ワクチンは在庫がある!」だの「接種スピードを落とせ!」だの、無理難題を現場を押し付けるありさまです。
そもそも新型コロナウイルスの感染拡大という、国家の災害レベルの事態なのですから、菅首相がリーダーであることはいわずもがなです。菅首相自身、総理大臣に就任した際「何がなんでもコロナ対策」と豪語していましたよね。
もちろん「日本」という国がかかわる全ての案件を首相だけで進めることはできません。ナンバー2、その下のナンバー3が、実行部隊としてその都度、決断をする必要があります。この構図は、国であれ会社であれ、組織が存在する以上普遍的なものです。
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