というのも、野球というスポーツは、基本的に北米や東アジアを中心に人気があるが、それ以外の地域ではそれほどでもない。イチローさんも現役のときには、よく「世界のイチロー」と言われ、筆者を含めた日本人の多くがその活躍に注目していた。しかし欧州などに行けば、彼の名はほとんど知られていない。
その点、大坂選手の注目度は格段に高い。その差は収入を見ると明らかである。より多くの人を引きつけることができる選手は、それだけ金を生み、より多くの収入を得ていると考えていい。
そこで世界のアスリートたちがビジネス的にどれほどの収入を獲得しているのか、最新の世界ランキングを見ていきたい。そこから2021年のいま、世界的にスポーツやアスリートが生み出すビジネス規模の実態を感覚として理解できる。
米フォーブス誌などの情報から、21年版 世界のアスリート高収入トップ50(5月までの推定収入)を見ると、驚きの連続である。ほとんどのアスリートがスポーツそのものの収入以上に、スポンサーなど外部からの稼ぎが圧倒的に多いことが分かる。
例えば、大坂なおみ選手の年間の稼ぎは世界12位で、女性アスリートとしては世界で最も稼いでいる。金額は約6000万ドル(約65億円)にもなるが、テニス大会などから得ている稼ぎはそのうちの8.3%に過ぎないと見られている。
ちなみにトップ50の中にランクインしている女性は大坂選手と、同じくテニス選手で4150万ドルを稼ぎ出しているセリーナ・ウィリアムズ選手だ。彼女の収入に賞金が占める割合はたった3.6%である。
一方で、エンゼルスの大谷選手の年俸は、20年に300万ドル(約3.2億円)。大坂選手と比べても、ケタ違いに低いのである。
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