富士通とMSが提携強化 次世代IAサーバにLonghorn採用

Windowsを採用した基幹業務系システム分野で提携強化。富士通は次世代Itanium搭載サーバにLongohornサーバ版を採用するほか、基幹系Windowsサーバの信頼性向上へ共同で検証作業も行う。

» 2004年06月28日 18時11分 公開
[ITmedia]

 富士通と米Microsoftは6月28日、Windowsを採用した基幹業務系システム分野で提携することで合意したと発表した。富士通は次世代Itanium搭載サーバにLongohornサーバ版を採用するほか、基幹系Windowsサーバの信頼性向上へ共同で検証作業も行う。

 Longohorn Serverを対象に、アプリケーションの利用領域を自動的に変更するダイナミックパーティション機能の実装に向けた検証を行い、Windowsサーバでメインフレームクラスの高可用性を実現する。「Microsoftと富士通で、IBMのインストールベースを切り崩す」とスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)。

 富士通は既に基幹IAサーバでLinuxを採用しているが、Windowsの方がソフト資産は多いと利点を説明。LinuxとWindowsは堅調に伸びると考え、どちらを選ぶか、あとは顧客の判断に任せるとする。バルマー氏はLinux対抗の広告キャンペーンについて、「マスコミはオープンソースの哲学を取り上げてばかり。顧客が導入しているのはWindowsという事実を伝えたい」とし、Windowsの方がTCOが低く、相互運用性も高いと語気を強めて主張した。

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 またWindows Server 2003/Longhorn Serverを搭載した次世代基幹IAサーバとSQL Server 2005を組み合わせたシステムの検証、両OSの障害予防・高信頼機能の実装に向けた検証、システム障害の原因追及を行うサポートツール群の開発などで協力する。Windows Serverのサポートも強化し、両社の技術者で構成する共同サポートチームを今年後半に設置。共同開発したツールで問題分析を効率的に行い、Windowsチームとも直接連携して対応していく。

 富士通は、開発中の次世代基幹IAサーバをMicrosoftにサーバ製品部門に設置して協業。2005年前半に、Windows Server 2003を搭載した基幹IAサーバをリリースする。

 また富士通のITプラットフォーム「TRIOLE」に.NET技術を導入。.NETに対応したWeb・アプリケーション・データベース・運用の基本4ブロックとPi(Platform Integration)テンプレートを日本市場向けに開発することで協力した。世界市場向けテンプレートでも開発協力し、システムを早期に導入できるメリットをアピールしていく。

 導入時の動作検証や性能評価を行える検証センターを、今年後半に共同で富士通内に設ける。また両社の運用管理ソフト「Systemwalker」「Microsoft Operations Manager」の機能連携を図るほか、富士通の.Net対応COBOLソフトなどで開発協業も続ける。

 両社は2000年9月、Windowsベースの基幹系システム分野で提携(関連記事参照)。今後はLongohorn Serverの開発段階から共同検証作業を進めるなど、さらに一歩踏み込んだ形で提携を強化する。

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