.NETを簡潔に説明できる人はそう多くない。その理由のひとつは、.NETが利用形態によってさまざまな側面を持つからだ。デベロッパーチャンネル「dev .NET」新連載となるこの特集では、これから.NETに取り組みたい読者に向けて解説していく。
「Microsoft .NET」(以下、.NET)というと、XML Webサービスや「.NET Framework」を思い浮かべる人が多いだろう。しかし「.NET」というこの用語は、特定の製品やサービス呼称ではなく、幅広い総合的なソリューションを指している。実際のところ、.NET Frameworkとは関連がない製品でも、.NET対応とうたわれていることがあるほどだ。そのため、なおさらに.NETとは何なのか? という疑問が先行する面がある。
この特集では、.NETとはどのようなものであり、.NETを利用して目的達成するためのテクノロジーや製品にはどのようなものがあるのかを解説していく。
「.NETとは何か」という点は、マイクロソフトの.NET FAQページにも記載されている。一部を抜粋すると、.NETの定義は、次の通りだ。
「.NET は、Microsoft が提供する XML Web サービスのソリューションで、情報とデバイス、そして人間のこの世界を、パーソナライズを重視した統一的な方法で接続する次世代のソフトウェアです。」
やや分かりにくい表現だが、重要なのは「XML Webサービス」であり、「情報とデバイス、そして人間のこの世界を、パーソナライズを重視した統一的な方法で接続する」という目的表現の個所だ。ここから分かることは、.NETの主役は、もはやプログラムではなく、「データ(情報)」であることが分かる。
.NETの目的は、図1のように、「データをやりとりするプログラム」があり、それをクライアントやサーバが呼び出して利用しようという点が基本的な形態だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.