日本アルカテル、MPLSベースのサービススイッチを発表

日本アルカテルは、通信事業者向けイーサネットサービススイッチ「7450 ESS」シリーズを8月から出荷する。

» 2004年07月28日 17時45分 公開
[ITmedia]

 日本アルカテルは7月28日、通信事業者向けイーサネットサービススイッチ「7450 ESS」シリーズを8月から出荷すると発表した。

 7450 ESSシリーズは、MPLSベースのイーサネットサービス提供用に作られたスイッチで、通信事業者のエッジで利用できる。1.5Uサイズの1スロットタイプで20Gbpsのスイッチング容量を持つ「7450 ESS-1」と、8Uサイズで7スロット、200Gbpsのスイッチング容量の「7450 ESS-7」の2製品が用意される。

 両製品で10ギガビットイーサネットをサポート(ESS-1は2ポート/ESS-7は最大10ポート)しており、ESS-7は、電源/ファン/コントロールカード/スイッチファブリックなどの共通部が二重化されている。

ESS-1 1.5Uサイズの7450 ESS-1
ESS-7 10スロットタイプの7450 ESS-7

 QoS専用のASICを搭載しており、ユーザートラフィックの優先順位ごとに最大帯域と保証帯域を設定することが可能だ。サービス単位で帯域制御を行える階層型QoSにより、通信事業者が帯域幅を保証したプレミアムサービスを提供できるという。

 また、レイヤ2のVLL(仮想専用線)やVPLS(仮想施設LANサービス)が提供可能なため、差別化されたメトロサービスを提供できるとしている。課金やOAM機能も搭載しており、VPLS内での遅延時間/接続性/優先制御の確認が行え、より高度なSLAを提供できるという。

 日本アルカテルの藤井克美社長によると、7450 ESSシリーズは、昨年7月に仏ALCATELが買収を完了した米TiMetraが開発を進めていたもの。カンパニー制を採用している同社のIP事業部はTiMetraの資産を引き継ぎ、米カリフォルニア州のマウンテンビューに本部を構えている。

 TiMetraからALCATELに移ったIP事業部のスニル・カンデカー製品管理ディレクターは、「事業者は、VPN用にフレームリレーやATMとインターネット用にIPネットワークの両方を展開してきたが、IPに統合することが求められてきている。その技術的な解決策がMPLSだった」と話し、7450 ESSシリーズが業界初のMPLSベースのスイッチだとアピールする。

スニル・カンデカー氏 「メトロのアグリゲーションでプロバイダはエンタープライズクラスのスイッチを使っていたが、単一顧客向けのスイッチでは不適切だった」と話すカンデカー氏

 北欧のプロバイダのTeliaSoneraは、既に企業向けにVPNやブロードバンドアクセスサービスを提供していた既存のATMネットワークを、7450 ESSシリーズを利用してMPLSメトロネットワークに置き換え始めているという。同社は、ATMより安価なイーサネットで、企業とコンシューマ向けサービスの双方を利用可能にするため、アルカテルの製品を選択したといい、将来的にはコンシューマ向けに音声やビデオ、企業向けにIP VPNやイーサネットVPNを提供する予定だという。

 7450 ESSシリーズの価格はオープンプライスとしているが、ESS-1で900万円程度になるという。

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