特集:第2回 スタートアップ.NET――開発ソフトの現状と目的別使い方(後編)dev .NET(1/3 ページ)

いまから始める.NET特集第2回後編では、マイクロソフト以外のベンダーの.NET Frameworkアプリケーション開発環境を見ていく。最近では、.NETでもフリーの開発環境が登場しており、商用との位置づけが戦略的なものとなってきた。次期Visual Studio 2005も見えてきた今、開発環境を再考してみよう。

» 2004年08月02日 11時36分 公開
[大澤文孝,ITmedia]

 第1回 スタートアップ.NET――基礎から始める.NETでは、「.NET」がどのようなものであるかの基礎を解説した。第2回では、先に予定する「Visual Studio 2005」のトピック解説特集につなぐべく、開発基盤としての.NET Framework対応のコンパイラと、これを利用する開発統合環境としてのVisual Studioを再考する。この時期、基礎となる開発環境を知っておけば、スムーズにVisual Studio 2005へとつなげられるだろう。そして、第3回目の特集では、実際の開発でどのようなポイントがあるかを具体化していく。

Visual Studio .NET。次期バージョンでは「.NET」表記が無くなりVisual Studio 2005となる

 今回、第2回の後編では、前編で主にマイクロソフトの.NET開発環境だけだったものを、サードパーティ製品の開発環境紹介にまで広げていこう。

従来のC++ユーザーに馴染みやすい「Visual C++」

 Visual C++は、Visual Studio .NETのなかで、唯一、アンマネージドコード(CLRに管理されず、OSやCPU依存のWin32アプリケーション)を作成可能な開発言語アプリケーションだ。つまりVisual C++は、.NET FrameworkもWin32アプリケーションも、どちらも作成できる。

 実際、Visual C++のプロジェクトを作成するときには、「MFCアプリケーション」のようなWin32アプリケーションの項目が見られ、「Windowsフォームアプリケーション」のような.NET Frameworkアプリケーションの項目もあるのだ(画面3)。

画面3■Visual C++におけるプロジェクトの新規作成

 Visual C++が.NET Framework対応になった大きな変化は、Visual C++においても、テキストボックスやボタンなどを貼り付けて開発するGUI開発ができるようになったという点だ。

 従来は、Visual C++でアプリケーションを開発するには、GUI開発環境がなく、ユーザーインターフェイスを構築するのが大変だった。しかし、Windowsフォームアプリケーションとして構成すれば、画面4のようにGUI開発ができる。

画面4■Visual C++によるWindowsフォームアプリケーションの開発

 ただし、画面4の環境は、.NET Frameworkのクラスライブラリを利用することで実現している。つまり画面4で[ツール]部分に表示されているGUI部品は、.NET Frameworkのコントロール(クラス)である。そのため、このようにして構築したアプリケーションを実行するためには、.NET Framework(CLR)が必要となり、CLR無しで実行することはできない。このため、CLR無し実行可能なWin32アプリケーションを構築する場合には、従来通り、MFCなどのライブラリを使い構築していくことになる。

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