米NetAppは、ニューヨークでプレス・アナリスト向けの説明会を開催している。ストレージベンダーとして急激な成長を見せている同社が追求する先にあるのは、「ストレージ・グリッド」と呼ばれるビジョンだ。
ロックフェラーセンターのクリスマスツリーも点灯され、クリスマスムードがいやおうなく高まるニューヨーク。米Network Appliance(NetApp)は、世界中からプレス・アナリストを集め、説明会を開催している。
かつてメディアから「トースター」と呼ばれるほどシンプルなNASを売りにしてきた同社だが、現在ではファイルアクセスだけでなくブロックアクセスのプロトコルにも対応するマルチプロトコル対応ストレージ製品を提供し、最も急激な成長を見せているベンダーだ。
「前年比で36%成長し、どのライバルよりも成長率は高い」とダン・ウォーメンホーベンCEOは胸を張る。ストレージベンダーの中では、EMC、HP、IBMに次ぐ第4のベンダーと力をつけてきた。ストレージを専業とする意味では、EMCを追撃する位置につけた。
ドットコムバブルの時代には、売り上げの75%をハイテク企業から上げており、同社も大きなあおりを受けたものの、現在では多様化路線へとシフト。2005年では、80%がハイテク産業以外の企業から上げる予定で、その認知も高まってきた。
いま同社が最も注力しているのが、「ストレージ・グリッド」と呼ばれる構想だ。ウォーメンホーベンCEOは、「さまざまなベンダーがさまざまな言葉でグリッドをうたっているが、すべてサーバでの話。ストレージでグリッドのことを言っているのはNetAppしかいない」と話す。
ストレージ・グリッドでは、スケールアウト方式で増えていくストレージをシングルシステムとして抽象化する。クラスター化された同社の「Filer」がパフォーマンスを落とさずに、データへのアクセスプロトコルの違いや、データの格納場所の変化などを吸収してしまおうというものだ。そうすることで、物理的なロケーションの制約から解放された統合ストレージインフラで、アプリケーションをサポートできるようになる。
「究極の目標は、URLのようにアドレスを入力すればどこからでもアクセスできるグローバルネームスペースを実現することだ」(ウォーメンホーベンCEO)
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