EMCのiSCSIアレイは、性能はファイバチャネル対応モデルの半分だが、価格は同じ。しかし顧客は高額なホストバスアダプタやファイバチャネルスイッチを購入する必要がない。(IDG)
米EMCは来週、ストレージアレイ「CLARiiON」のiSCSI対応モデルを投入し、IPストレージエリアネットワーク(SAN)の掛け金を引き上げる見込みだ。
同社が来週発表するのは、「AX100i」「CX300i」「CX500i」ストレージアレイ。これら新しいiSCSIシステムは、ファイバチャネルベースのCLARiiONに取って代わるものにはならないだろう。
これらシステムのパフォーマンスはファイバチャネル対応モデル(AX100、CX300、CX500)の半分になるが、価格は同じだ。当編集部が入手した文書によると、EMCはiSCSI対応モデルとファイバチャネル対応モデルの価格が同じだからと言って、何ら混乱は起きないだろうとしている。iSCSIの場合、顧客は高額なホストバスアダプタやファイバチャネルスイッチを購入する必要がないからだという。
EMCは、同社のIP SAN製品を配備している顧客に、イーサネットトラフィックから孤立したネットワークのセグメントにこれらの製品を導入するよう推奨している。顧客が望めば、ネットワークの外側寄りのIPSec暗号化ハードも利用できる。
AX100i、CX300i、CX500iはギガビットイーサネットをサポートするが、10/100Mbps接続には対応しない。
今回、EMCはハイエンドCLARiiONアレイ「CX700」でiSCSI機能を提供しないことにした。さらに、「MirrorView」「SAN Copy」などのファイバチャネル固有のソフトはiSCSIアレイではサポートされない。
AX100iはデュアルコントローラ版で、AX1200Sciはシングルコントローラ版となる。ファイバチャネルとiSCSIを同じアレイの中で混用することはできない。
AX100iは最大で250GバイトのSerial ATAドライブを最大12基サポートでき、CX300iは320GバイトのSerial ATAドライブを最大で60基、CX500iは320GバイトのSerial ATAドライブを最大120基サポートできる。それぞれのアレイはWindows 2000/2003搭載のホストコンピュータに接続可能。
またCX300iとCX500iは「SnapView」、Business-Continuance Volume(BCV)、プロダクションデータのポイントインタイム表示に対応する。
IP SANは、ユーザーの間で安価で導入しやすい技術だと認識されるに伴い、採用が拡大している。2004年7〜9月期に、iSCSI SANは前四半期から44%成長した(IDC調べ)。
価格はAX100iが5000ドルから。CX300iは73Gバイトドライブ5基、Navisphere管理ソフト、インストール、3年間のサービスがついて2万3860ドルから。
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