一方、リコーでNotes導入を推進し、昨春トライアングル・スピリットを設立した平居透氏は、そうしたNotesを機能面から次のように分析する。
Notesはコラボレーションに必要なこれらの機能が1つのパッケージに収められ、開発生産性が優れていたのが最大の強みだ。
「リコーでは、システム部門のツールではなく、遠隔地のユーザーが情報を共有できるツール、仕事のやり方を変えるツールとして導入した。Notesに代わる機能を提供するツールは、いまだほかにない」と平居氏は話す。
Notesというと「メール&スケジューラー」といった機能がすぐに思いつくが、先進的なパートナーやユーザーのあいだでは事情が異なるようだ。平居氏もその機能については特に触れなかった。
丸山氏によれば、大塚商会はメッセージングのためにExchange Serverを導入しているという。また、ナレッジマネジメントのシステムコンサルティングを専門とする吉川日出行氏のみずほ情報総研では、スケジューラーとしてはサイボウズOfficeを利用しているという。
日立SCでユーザーとしてNotes導入を推進する中居博氏は、「バージョン6.5になり、これなら我慢してもらえるだろうと考えてスケジューラーもNotesに切り替えたが、上司からは『これじゃあ零点』と厳しく言われた」と打ち明ける。
しかし、日本コムシスでNotesを導入する藤本晴彦氏は、基幹業務との連携を強く意識し、Notesに決めたと話す。
「サイボウズOfficeが支持を得ているが、元々メール&スケジューラーで十分というユーザーたちだ。Notesの本質はそこにあるのではなく、開発生産性の良さ、基幹業務との連携の良さにある」と藤本氏。
ただ、すべてのユーザーが開発生産性や連携を必要としているわけではない。ポイントソリューションを求めるユーザーが増えているのも事実。藤本氏も「今後もNotesが“オールインワンパッケージ”で行くのか、個々の機能だけを求める顧客にどう対処するのか、注目している」と話す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.