オンデマンドCRMの展開を日本でも強化するセールスフォース

米Salesforce.comのプレジデント、ジム・スティール氏が同社の戦略について紹介した

» 2005年02月24日 03時48分 公開
[ITmedia]

 セールスフォース・ドットコムは2月23日、都内で記者説明会を行い、米Salesforce.comのプレジデント、ジム・スティール氏が同社の戦略について紹介した。ASPによるCRM機能の提供が、いわゆる「サービスとしてのソフトウェア」という市場のニーズとマッチしており、今後も引き続き成長していくとして強調した。

来日したジム・スティール氏。IBM、米Aribaなどを経て2002年10月にセールスフォースに入社した。

 同社の2004年度第4四半期(2004年11月から2005年1月まで)の業績は、売上高が前年同期比で82%増の5460万ドル、ユーザー数は同79%の22万7000ユーザーとなり、急速に成長している。

 Salesforce.comは、マーケティングや営業、サポート部門を支援し、優良な顧客を発掘し、獲得、維持することを目的としたASP形式のアプリケーションだ。同社はこれを「オンデマンドCRM」と呼んでいる。ASPであるため、ユーザー企業側のシステム構築における作業負担が少なくて済むことに加え、稼動までの期間も短くすることができることがメリットとして挙げられる。

 オンライン外国為替証拠金取引である「トレーディングステーション」を提供するフォレックス・キャピタル・マーケッツ・ジャパン(FXCMJapan)は1月に、Salesforce.comを導入し、顧客サービスを向上させたことを明らかにした。FXCMJapanでは、導入の決定からわずか28日間という短期で稼動を開始した。具体的には、Salesforce.comをカスタマイズし、口座開設手続きのオンライン化を実現しているという。

 これにより、従来は電子メールのやり取りなどで1週間程度かかっていた新規顧客の口座開設手続きが、1日で行えるようになった。また、「デモ版取引システムオンラインコンテスト」の応募者の自動受付を可能にしたという。24時間体制で受け付けている顧客からの問い合わせ内容を一元管理し、人件費をはじめとしたコスト削減が可能になったという。

 現在では、口座開設手続きのオンライン化以外に、見込み顧客や既存顧客の情報を社内で共有、一元管理し、営業の商談状況の把握や営業戦略の立案を効率化している。

 ASP形態でのCRMは、顧客企業が導入や運用方法を上手に考えることで、IT投資として成功させることができる。

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