SEが語る「パッケージソリューション」の落とし穴(1/2 ページ)

函館空港ビルのシステム化を手がけた北海道CSKのシステムエンジニア聞く。(特集:顧客満足度ナンバーワンSEの条件)

» 2005年06月02日 09時26分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 先日紹介した(関連記事)函館空港ビルのシステム化を手がけたシステムインテグレータ、北海道CSKのエンジニアに、導入作業や、北海道のIT事情、また、SEの立場から見たベンダーへの要求などを聞く。

 札幌に社屋を構える北海道CSKは、大手ベンダーであるCSKの100%子会社として、道内で幅広く活動している。函館と札幌は飛行機で45分かかる距離で決して近くはない。地域を越えた発注には疑問が投げかけられる可能性がある中で、函館空港ビルが北海道CSKをインテグレータとして選んだのは異例のことだった。北海道CSKでSEを務める大竹啓之氏氏、第3事業部長の馬場亨氏、営業部門長の矢渡英樹氏に話を聞いた。

 函館空港ビルが北海道CSKをパートナーに選んだ理由は、財務系アプリケーションであるSuperStreamの導入経験を持ち、自社でも導入していることだった。加えて、Oracle関連の資格保有者の多さ、また、Linuxによる構築を望んだ函館空港ビルにとって、Linuxでの構築経験が多かったことも評価した。

 大竹氏は、「函館空港ビルの尾伊端敏氏自身の技術力も高く、パッケージを使うことの意味をしっかり理解しており、やりやすかった」と話す。

SEの大竹氏

 「パッケージを使うときに、“要件が合わない”と不満を訴える企業も多いが、そこはあくまでも既製品であるパッケージ。やはり、利用するときには、いろいろな意味での覚悟が必要になる」(同氏)

「現在のSEは大変」

 こうした話の中で、「昔に比べて現在のSEは大変」と話すのは馬場氏。オフコンに象徴されるように、かつてはハードウェア、ミドルウェア、データベースなどが、すべて特定のメーカー任せで提供されていたが、現在は、オープン環境の中で、それぞれがシステムを構成するパーツとして提供されているからだ。いい意味でも悪い意味でも、システムとしての複雑性が増しているという。

第3事業部長の馬場亨氏
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