電子商取引は引き続き拡大、攻撃の手口は巧妙化――VeriSign報告書

VeriSignの調査によれば、ファーミングなどの脅威にもかかわらず、1〜3月期に同社のサービスで処理された金額は、過去最高の約107億ドルとなった。

» 2005年06月18日 08時21分 公開
[ITmedia]

 1〜3月期のインターネット利用とセキュリティ動向についてVeriSignがこのほどまとめた報告書によれば、電子商取引は利用金額・件数とも順調に伸び続けている一方で、フィッシング詐欺などの手口は巧妙化が進んでいる。

 同社がモニタしているオンライン小売業者13万5000社で処理された電子商取引の件数は、過去1年で31%増加。平均取引金額は150ドルで、前期の144ドルから4%増えた。

 北米の電子商取引の約37%で導入されているVeriSignの課金サービスで処理された金額は、過去最高を更新して7129万件、総額106億9000万ドルとなった。

 フィッシング攻撃は、対策措置の導入に伴って手口が巧妙化しており、特に危険なのは新手の「ファーミング」だと報告書は指摘。ファーミングはコンピュータにスパイウェアを仕掛けたり、DNSなどネットインフラの一部を汚染することで、ユーザーと企業の正規のWebサイトの間の個人データ通信に干渉しようとする間接的攻撃手法。

 「脅威があるにもかかわらず、世界中のユーザーが依然としてインターネットをビジネスと個人利用に不可欠なツールとして使っている。これは、適切なセキュリティ措置が取られている場合に小売り業者とユーザーがオンライン取引に寄せる信頼を反映したものだ」。VeriSignセキュリティサービスの執行副社長、ジュディ・リン氏は発表資料でこう解説している。

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