SAPとHPがNetWeaverにおける提携を強化

SAPジャパンと日本ヒューレット・パッカードはOpenViewにおける提携を強化すると発表した。

» 2005年06月27日 22時26分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 SAPジャパンと日本ヒューレット・パッカードは6月27日、都内で記者発表会を開催し、SAPが展開するSOA(サービス指向アーキテクチャ)への取り組み「ESP(エンタープライズサービステクチャ)」を支えるインフラ基盤として、運用監視ツールであるHP OpenViewを中心に日本HPと協業関係を強化することを明らかにした。

 日本HPのソフトウェア統括本部長を務める今野芳弘氏は、SAPと協業することに関して、異種システムにまたがって構築されるSAPのシステムにおいて、「ビジネスプロセスのパフォーマンスの監視、最適化の場面でHP OpenViewが利用される」と話す。

 また、運用監視における標準として注目されるITILをベースにした運用基盤の構築、ビジネスプロセスに関連するアプリケーションやデータベース、サーバ、ストレージなどのITインフラと障害との関係を特定することなども視野に入れている。さらに、ビジネスプロセスを効果的に運用するために必要なパフォーマンス最大化のために、いかにしてITリソースを再配分するかなども行っていく。

 たとえば、電信送金(振込)のプロセスを監視する場合、「送信先確認」「送信元チェック」など幾つかのプロセスを経ることになるが、その際に、資金確認処理にかかる時間の監視などを詳細に行うことで、プロセスの円滑な運用を促していく。

 今野氏は、OpenViewが持つ強みとして、ハードウェアの仮想化技術とITILにおける実績などを挙げる。SAPのNetWeaverがアプリケーションにおける仮想化ならば、アダプティブ・エンタープライズを提唱するHPはOpenViewによって、ハードウェアを中心としたインフラ周りでの仮想化技術を顧客企業に提供していく考えだ。

 一方、SAPジャパンでソリューション統括本部長を務める玉木一郎氏は、「ビジネスレイヤーで監視する理由は、ビジネスプロセス自体を既存のITインフラを越えたところで再設計したいという企業のニーズが強いから」と話している。

 この日両社は、協業を推進するために特別プロジェクトチームを発足したことも併せて明らかにしている。同チームは、「ビジネスの優先度に基づいた障害対応」「業務プロセス全体のパフォーマンスの最適化」「ITシステムの変化適応力の向上」の実現を目指す。

 7月からはmySAP Business Suiteが動作する環境下において、NetWeaverとHP Openviewの各製品との連携検証を行うという。また、実際の顧客システムのおける利点を実証し、水平展開していくためのライトハウスプロジェクトや共同マーケティングも展開する。

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