Google Mapsライクなことやりたい企業向け――オラクル

日本オラクルは、位置情報を地図にマッピングして活用できる開発基盤「Oracle Location-Based Servicesフレームワーク 2.0」を発表した。

» 2005年07月04日 19時43分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 「Google Mapsによって、今まで地図を使わなかった人たちも興味を持ち始めた」――日本オラクルは7月4日、位置情報を地図にマッピングして活用できる開発基盤「Oracle Location-Based Servicesフレームワーク 2.0」(Oracle LBS)を発表した。パートナーのみに契約ベースで無償提供されるものだが、Google Mapsなどに刺激され、企業が位置情報の活用に着目するようになったのを好機に積極展開していくという。

画面 地図上に不動産情報を合成表示したデモ

 Oracleデータベースが基本機能に備える空間データベース「Oracle Spatial」を活用して、地図画像情報に対して、データベースに格納された店舗や物件情報など企業内のデータを重ね合わせる仕組みを提供する。具体的には、地図配信ASPサービスなどの地図画像サーバから地図画像をアプリケーションサーバ上にキャッシュし、同時に座標を基にデータベースから図形や業務データなどを引っ張ってきて、クライアント端末上で合成して表示することを可能にする。

 日本独自の部署となるアドバンストソリューション本部が2000年から地位情報ソリューションに着目し、開発してきた。2003年9月にバージョン1.0をリリースしている。Webブラウザにプラグインなしで、地図をフリースクロール、ズームイン・アウトなどができる機能を提供していたが、最新版となるバージョン2.0では、地図上に図形表示ができるようになり、活用の幅が大きく広がるという。

 「GISは地図上の道路や河川をベクトル情報として細かく属性情報を保持していた。細かな対応ができるのがメリットだが、その情報量は非常に大きく、なかなか使えなかったのが現状だ。これに比べ、LBSは地図を画像データとして持っており、それをOracleデータベースの情報と合成する仕組みだ。情報量が少なくて済み、使いやすい」(アドバンストソリューション本部林徹氏)。例えば、駅から半径1Kmといった円の中に当てはまる物件などをDBから検索してきて表示することが容易に行えるという。

 活用例としては、地図上に配送先をポイントできるNECシステムテクノロジーの配送計画支援システム「ULTRAFIX」や、伊藤忠テクノサイエンス(CTC)のGISと連携させるエリアマーケティングソリューションなどがある。

画面2 地図上の図形にデータを持たせてエリアマーケティングにも活用できる

 「地図のASPサービスや統計情報のデータのサービスを利用すれば今まで数千万円もしていたシステムが数十万円/月で作れるようになる」(同氏)。オラクルでは今後、Oracleデータベースに格納したデータの価値を高めるための一手段として積極展開していく。

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