日本でも旗揚げ、“情報の完全性”掲げる新生シマンテック

シマンテックとベリタスは、米国での新生Symantecの合併完了を受けて、記者説明会を開催した。日本法人の統合は年内をメドに行う計画。

» 2005年07月07日 14時57分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 新生シマンテックの旗揚げだ。シマンテックとシマンテックグループのベリタスソフトウェアは7月7日、米国での新生Symantecの合併完了を受けて、記者説明会を開催した。誕生した新会社は、セキュリティと可用性をカバーする世界第4位の巨大ソフトウェア企業となる。日本法人の統合は年内をメドに行う計画だが、既に「一枚岩」となって事業を開始しているとアピールした。

新生シマンテック シマンテックの杉山社長(左)、新生Symantecのマーク・ブレグマンCTO(中)、ベリタスの木村社長(右)

 新生Symantecは米国時間7月2日に両社の株主に承認され、5日に誕生した。「まったく新しい“Information Integrity”(情報の完全性)で、力を発揮する企業になる」と、来日した新生Symantecのマーク・ブレグマンCTOは合併を表現した。新会社は、セキュリティリスクからだけでなくシステム障害からも、ITインフラを保護・迅速に回復できるソリューションを提供できるメリットを掲げる。企業にとっては、どちらのリスクも損失となって現れる課題であり、これに対する解決策を1社で提供可能になるという。

 1年後には、両社の技術を統合した新製品を投入したい考え(日本での時期にはずれがある)。それまでは、両社の既存製品を生かしつつ相互運用性や管理インタフェースやライセンスの共通化を行いながら、相乗効果を狙っていくことになる。

 シマンテックの杉山隆弘社長は、「(ソリューションカバレッジの)幅広さと奥行き、そしてグローバルな対応能力が合併初日から備わっている」と話し、個人から多国籍企業までにソリューションを提供できると誇る。既に1つの事業体として始動しているとも強調した。

 新生シマンテックでは、代表取締役副社長としてエンタープライズセールスを率いることになるベリタスの木村裕之社長は、「大きなITのうねりをシマンテックとして引っ張っていくことになった。杉山社長はIT業界を代表するオピニオンリーダー、一枚岩として補佐していきたい」と話した。

 両社が目指す市場は、これまでSymantecが領域としてきたセキュリティ市場とVeritasのストレージを中心とした市場を合わせ、2007年には560億ドルに達する予測されており、この中で新会社は年12%という成長を見込む。

 現在、ベリタスソフトウェア株式会社は米Symantecの子会社という状態。年内に統合する予定だ。

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