ブログ情報伝達を加速するトラックバック、pingdev blog/CMS:ブログを支えるテクノロジー(1/5 ページ)

ブログの仕組みの中で、比較的理解しづらいと誰もが言うトラックバックやping。何気なく使うこの仕組みを理解すると、ブログアクセサリーや投稿画面の意味が理解でき、トラックバックスパム対策などにも活かせる。第1回はRSSについて。

» 2005年07月20日 08時30分 公開
[大澤文孝,ITmedia]

ブログ新着情報はpingで広報する

 ブログの世界には、投稿の更新情報を受け取ってリンク集を自動生成してくれる「pingサーバ」が提供されている。

 自らのブログを更新したら、有名どころのpingサーバに更新情報を送信する。すると、そのpingサーバのコンテンツ(いわゆるブログへのリンク集)に新着情報として登録されるようになる。これによって、pingサーバのコンテンツを見たユーザーが、自分のブログに訪れてくれることが期待できるのだ。

 またブログでは、記事に対してコメントを付ける「トラックバック」という仕組みも提供されている。トラックバックとは、相手の記事にリンクを張ると、相手の記事からも自分の記事へとリンクが張られる「相互リンク」である。特定のブログの記事を読んで、意見を言いたい、自らの投稿記事が関連していると思った場合、記事へリンクを張るとともに、その意見を自分のブログに書いたりする。そして意見を書いたという旨の情報を相手に向けて送信すると、相手の記事中に、自分のブログへのリンクが追記されるようになるわけだ。

 pingサーバもトラックバックも、ブログ同士のリンクを自動的に構成し、ブログの輪を広げていくための手段だ。これらの手段を活用することで、自分のブログへの入り口を増やすことができ、より多くのユーザーが訪れやすくなる。特にpingサーバは、ブログサービスサイトのトップページなどに整形された情報として露出していることが多い。トラックバックは、ブログ書き込み個々の投稿ページにキーワードを見つけられるだろう。

 今回は、このpingサーバとトラックバックが、どのような技術で構成されており、どのような場面で応用できるのかを見ていくことにしよう。

ブログの更新情報を集約するpingサーバ

 pingサーバは、ブログの更新情報を受信できるサーバだ。ブログ投稿者からの「ブログを更新しました」という通知を常に待っている存在だ。この更新通知のことを特に「更新ping」(weblogUpdates ping)という。

 更新pingを受け取ったpingサーバは、更新pingに含まれるデータを解析し、たとえば新着順に並べて、いわゆるブログのリンク集となるWebページを作る(あくまでも1つの形態として)。また、そのリンクをRSS生成して利用できるようにしているケースもある。ユーザーは、その自動生成されたリンク集を見れば、世の中に多数あるブログを、一覧として参照できるわけだ(図1)

図1■pingサーバの仕組み

 pingサーバの発祥は、米UserLand Softwareの「Weblogs.com」だ。

 そして、pingサーバの仕様はオープンであるため、現在では個人や任意団体、そして、ブログシステムを提供するサービス提供会社など、数多くのpingサーバが運営されている。日本における著名なpingサーバとしては、「PING.BLOGGERS.JP」「BlogPeople」などが挙げられる。

 なお、後述する更新pingの仕組みを読むと分かるが、更新pingには認証機能がない

 そのためpingサーバによっては、悪用を防いだりトラフィックの負荷を抑えたりする目的で、誰もが利用できるようにはせず、自社が提供するブログサービスのみ更新pingを受け付けるものや、事前にユーザー登録しなければ更新pingを受け付けないといったものもある。

pingサーバにはXML-RPCを使って通知する

 ブログシステムには、pingサーバに対する更新pingを送信する機能が付加されていることがほとんどだ。そのためブログに記事を追加すると、あらかじめ通知先を指定しておいた場合、pingサーバに向けて、自動的に更新pingを送信できる。

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