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2005/07/26 20:55 更新


Niagaraのリリースで効果測定の指標を変えるサン

サンは2006年初頭に登場が予想されている第2世代CMT SPARCプロセッサ「Niagara」に関するプレスセミナーを開催、現在のデータ・センターが抱える問題の多くが新世代のエコ・プロセッサで解消され得るという。

 サン・マイクロシステムズ(サン)は7月26日、2006年初頭に登場が予想されている第2世代CMT SPARCプロセッサ「Niagara」に関するプレスセミナーを開催した。

 サンのマーケティング統括本部ストラテジストの野瀬昭良氏は、現在のデータセンターの状況について、「幾つかの観点で危機的な状況」と話し、その理由として「スペース」「電力」「スループット」の問題を挙げる。

野瀬氏

「他社が同様のプロセッサを出してきても、OSレベルでの対応まで含めて考えれば負ける気がしない」と野瀬氏


 昨今、ハードウェアの低価格化に伴い、TCOの中で運用コストが占める割合は増加しつつある。消費電力あたりの処理性能が重要になってきた上、床面積あたりの処理性能も重要なポイントとなりつつあるが、野瀬氏はある「非常に巨大な」eコマースのデータセンターにおいては、新規ハードウェアの運用コストは個々のサーバの消費電力から算出している例を挙げる。この例では、1kWあたり125ドルであるとしている。

 そして、こうした問題を解決する新世代のエコ・プロセッサがマルチスレッドでの処理に特化したデザインを採用しているCMTプロセッサであるとする。

5分で分かるCMTプロセッサ

 CMTとは「Chip Multi-Threading」の略で、マルチコア技術とコア内で複数のスレッドを並列実行する技術のこと。具体的には、1つのシリコン・チップ上に複数のコアを搭載し、それぞれのコアで同時にマルチスレッド処理を行なうことを可能にする。CMTを採用した最初のSPARCプロセッサはUltraSPARC IVで、1つのコアで2つのスレッドをサポートしている。Niagaraは、4スレッドの並列実行が可能なコアを最大8つ搭載可能な90nmプロセスのCPUで、最大32スレッドが同時に実行できる第2世代のCMT SPARCプロセッサとなる。そして、Niagaraに続く第3世代のCMT SPARCプロセッサとしては「Rock」が予定されている。

 消費電力というのは、「トランジスタ数×動作周波数÷プロセス技術」で決定される。これまで、トランジスタ数を増やすとともに動作周波数を高速化してきたプロセッサベンダーはその限界見えつつあることからその方向性を変えつつあるが、それはサンも例外ではない。「かつては当然そうするべきだと思いこんでいたが、そうではなかった。アタックすべき問題が変わってきた」とサンの営業統括本部OEM営業本部主幹部長の栗原伸浩氏は話し、UltraSPARC IIレベルのパイプライン程度の実行ユニットを複数実装することで、停電力を実現しつつ、シンプルなデザインを志向したものが約3億個のトランジスタから構成され、70W以下の消費電力を実現したNiagaraだとする。動作周波数については、1.2GHz前後になるとしながらも明言は避けた。

栗原氏

「トランジスタの増加や動作周波数の高速化などに疲れたのかも。シンプルなものを数多く並べるほうがダイ面積の使用率と性能を考えてもベスト」と栗原氏


 「もはや『枯れた』と言えるUltraSPARC IIレベルのシンプルなデザインにしたことで、バグが減るなどの良い副作用があった。サンの歴史の中で、リリーススケジュールが前倒しで進められたケースは極めてまれ」(栗原氏)

 こうした複数スレッドが同時に実行されることで最大の効果が発揮される分野は、大量ではあるが処理の軽い作業、つまり、フロントエンドから一部ミッドレンジで利用されるようなサーバに搭載されると効果が高い。逆に言えば、1つの重いデータを扱うような領域、例えば科学技術計算などの演算領域ではCMT自体の効果は薄い。野瀬氏は、演算領域にはAMDのOpteronを、それ以外の領域には前述のRockがカバーすることになると話す。特に、Solarisがこれまで培ってきたスレッド技術、加えてSolaris 10で実装されたコンテナ機能などを活用することで、Niagaraがブレード・サーバなどの概念を一新させると野瀬氏は話す。

 2006年初頭に登場予定のため、現時点ではまだハードウェアのコストは未定。そうした理由もあり、今回のプレスセミナーでは、運用コストの試算が披露された。1つは2000台のUltra2搭載サーバを68台のNiagaraサーバに統合するもの。この例では、3年間で450万ドルから13万8000ドルへとコスト削減。ちなみに専有面積では25分の1へと省スペース化が図られるという。

 もう1つの例は他社のプロセッサとの比較。Xeon 3.6GHzを6000CPU実装するシステム(2wayのXeonマシンを3000台)を960台のNiagaraサーバに移行する例では、3年間で660万ドルの運用コストの削減が可能というもの。加えて、消費電力あたりの性能は10倍になるという。2wayのXeonマシン3000台と60台のNiagaraサーバのハードウェアのコストは無視しているとはいえ、運用コスト面を劇的に改善できると強調した。

[西尾泰三,ITmedia]

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