日本オラクル、財務情報の電子化を実現するXBRLに注力

日本オラクルは、住商情報システムの「ProActive」がXBRLに対応したことを紹介する記者向けのブリーフィングを開催した。

» 2005年09月06日 18時24分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 個人情報保護法やe-文書法の施行、2008年に実現すると言われる日本版SOX法など、コンプライアンスの観点から、企業が持つデータを電子化するニーズが急速に高まっている。その中で、財務情報の開示に向けた新たな取り組みとして、XBRL(eXtensible Business Reporting Language)の活用が挙げられる。企業情報の標準化、電子化の大きな流れの中で、重要な技術の1つになっている。

 このXBRLに関して、日本オラクルは、同社のデータベース製品を活用するユーザー企業が、XBRLによって財務情報を開示できるようにするために、財務データをXBRL形式で出力する機能を構築する開発キット「XBRL Report」をISV(独立系ソフトウェアベンダー)向けに配布してきた。9月6日には、住商情報システムが開発、販売する中堅企業向けパッケージアプリケーション「ProActive」がXBRLに対応したことを紹介する記者向けのブリーフィングを日本オラクルが開催した。

 XBRLは、有価証券報告書、商法決算公告、税務申告用財務諸表などの財務報告を行うための「XBRL FR」と、勘定科目や仕訳データ、勘定残高などを報告するための「XBRL GL」の2つに分かれている。財務情報が電子化されることにより、情報の作成時における組織ごとのフォーマットの違いを吸収したり、子会社から収集した財務データをすばやく統合して金融機関に開示したり、さらには、膨大な電子データを分析したりといったメリットがあるという。

 財務情報の電子化を図り、融資、電子商取引、電子申告、さらに、国際会計基準、四半期決算、監査、コーポレートガバナンスなどの手続きを効率化させることを目指して、現在、世界各地でXBRLが標準化されようとしている。

 すでに、日本で言う金融庁にあたる米FDIC(Federal Deposit Insurance Corporation)や、豪州APRA(Australian Prudential Regulation Authority)、米国SEC(US Securities and Exchange Commission)、スペイン中央銀行、英国国税庁、ベルギー国税庁、などが採用を決めている。

 日本でも、2004年に東京証券取引所が決算短信(1枚目のみ)にXBRLを採用。その後、金融庁の電子開示システム「EDINET(Electronic Disclosure for Investors' NETwork)」、国税庁による法人税の電子申告、日本銀行などにも導入が決まっていった。

 実際に、日本オラクルは、自社開発したXBRL Reportを利用して法人税の電子申告を8月30日に完了させたこともこの日紹介している。

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