SunとAMDの両雄がSolarisとOpteronの組み合わせが生み出す高い価値を語った。両CEOはまるで「動」と「静」だが、SunはOpteronを、AMDはSolarisをそれぞれ高く評価し、蜜月ぶりをアピールした。
東京の滞在はわずか1日という強行スケジュールの中、顧客訪問と記者発表会を精力的にこなしたSunのスコット・マクニーリ会長兼CEOが、プレスのグループインタビューに応じた。ライバル、Dellを「小売り」と一蹴するなど、かつての歯に衣着せぬ「口撃」が少しばかり戻ったようだ。デュアルコアOpteronでIntelに攻勢を強めるAMDのヘクター・ルイズ会長兼CEOも同席してくれた。
── マクニーリCEOはかねてからDellとの違いを強調していましたが、Sunもx86サーバを売り込むようになりました。改めて、Dellとの違い、差別化のポイントを教えてください。
マクニーリ Sunはコカコーラ、Dellはセブンイレブンであって比較のしようがありません。ボーイングとANAの違いといってもいいかもしれません。ANAは航空機の研究開発を行っているわけではありません。
DellはAmazon.comやWal-Martのような小売りと戦っているわけで、一方われわれは研究開発に多額の投資を行っている企業と戦っているのです。IBM、Microsoft、そしてわれわれの3社は何十億ドルもの研究開発投資を行っていますが、Dellは、それに比べれば、ほとんどゼロといっていいでしょう。
ただ、Dellに限らず、顧客にとって彼らが良きプロバイダーでありたいとすれば、WindowsやLinuxだけでなく、Solarisも提供すべきでしょう。IntelだけでなくAMDのプロセッサも品ぞろえし、.NETだけでなくJava Enterprise Systemもサポートして顧客が選べるようにすべきでしょう。
── Sunでは引き続きSPARC/Solarisサーバも開発・販売していくわけですが、AMD Opteronを搭載した新しい「Galaxy」サーバはどのような位置づけになるのでしょうか。
マクニーリ Opteronサーバは価格性能に優れ、省電力・省スペースを特徴としています。「Sunは宗教的(な頑なさを持つ)」とよくいわれますが、Dellこそ宗教的だと思います。Sunの顧客は、プロセッサ、OS、ミドルウェア、チャネル、そしてサポートサービスに至るまで選択することができます。Sunほど顧客中心のテクノロジーベンダーはありません。MicrosoftのWindowsデスクトップやIBMのメインフレームを導入すると、囲い込まれてほかに移行できなくなってしまいます。顧客はSunの製品によって初めて自由を手に入れることができるのです。
── ルイズCEOにうかがいます。Opteronを採用するサーバベンダーとしてはIBMやHPもあります。Sunとの協業と彼らとのそれは、どのように違うのでしょうか。
ルイズ 恵まれているのは、アーキテクチャーが標準化されているため、汎用プラットフォームに差別化の要素を盛り込むことができるということです。3社との提携は、単にサプライヤーとバイヤーという関係ではなく、エンジニアリング面での協業まで掘り下げたものです。Sunとの協業では、彼らがOpteronサーバのスケーラビリティーをリードしてくれ、われわれの境界線を拡げてくれています。
マクニーリ SunではデュアルコアOpteronを搭載するサーバのソケット数を8まで引き上げたいと考えています。
また、Sunはソフトウェアを含めた高い価値を提供できます。他社はWindowsとLinuxしか提供できませんが、Solarisが利用できます。
3年前、われわれはx86サーバ市場で99位に過ぎませんでしたが、今や6位です。デュアルコアOpteronサーバを投入する前にここまできています。われわれはこの市場で最も成長しているのです。x86サーバではWindowsが最も使われていますが、Solaris 10は今年2月の公開から250万ものダウンロードがありました。このうち1/3はx86版です。最も急速に成長しているOSだといえるでしょう。
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