場合によっては未来永劫、Oracleが支援の手を差し伸べるだろう――サンフランシスコで開催された「Oracle OpenWorld 2005」のオープニングキーノートでOracleのフィリップス社長は言い切った。
愛用するPeopleSoftの人事アプリケーションの不具合にため息をつく顧客が1人でもいる限り、新たに見つかった欠陥にいらだつJ.D. Edwardsの信奉者が1人でもいる限り、これからも長い将来にわたって、場合によっては未来永劫、Oracleが支援の手を差し伸べるだろう――米国時間の9月19日にサンフランシスコで開催された「Oracle OpenWorld 2005」のオープニングキーノートでOracleのチャールズ・フィリップス社長は言い切った。
この約束は、すべての新規/既存のアプリケーションを対象としたOracleの「ライフサイクルサポートプログラム」の一環となるもの。過去10カ月の間に取得した多数の技術もサポート対象に含まれる。Oracleはこの間、PeopleSoft/J.D. Edwards、TimesTen、Retek、i-flex Solutionsを買収し、つい最近にはSiebel Systemsも手に入れた。
「われわれのアプリケーションのどれかを使っている人がいる限り、あるレベルのサポートを提供する」
今週、サンフランシスコのショウに集まった3万5000人の参加者の一部で埋め尽くされた会議室でフィリップス氏は語った。
「あるレベルのサポート」が何を意味するのかについては、フィリップス氏は説明しなかった。しかし同氏は9月18日、Oracle Applications Users Groupの会合での挨拶で、製品の改良を段階的に縮小する方針を示唆した。
フィリップス氏はその中で、「約5年後には、重大な欠陥にだけ対処するようになるだろう」と述べた。
キーノートスピーチに続けて行われた報道陣との質疑応答セッションでフィリップス氏は、「Oracleはいずれ、どのアプリケーションがその有用性を維持する必要があり、セキュリティや税率変更などの問題に対して製品サポートを続けるべきかを判断するつもりだ」と語った。
しかし同氏によると、大きな変更を行う予定はないとしている。顧客が大幅な変更を望んでいないからだという。
「顧客は大幅なアップデートを望んでいない。彼らにライフタイムサポートを提供するのもそのためだ」とフィリップス氏。
質疑応答セッションの中でフィリップス氏は、ライフタイムサポートプログラムは年次更新方式で提供することを明らかにした。ただし、価格などの詳細はまだ決まっていないという。
「ライフタイムサポートプログラムは、10カ月前のPeopleSoftの買収後に顧客から寄せられた意見を反映して生まれたものだ」と同氏はキーノートスピーチで語った。
OracleはPeopleSoft買収以来、毎月顧客調査を実施し、4000人以上の顧客から話を聞いたという。
Oracleの調査によると、PeopleSoftとOracleの両方の顧客が、買収後に顧客サポートの質が実際に改善したと感じている。
「顧客にとってはうれしい驚きだろう。Oracleが顧客のことを思っていることを彼らは理解した」
もちろん、製品の将来をめぐる顧客の不安に対処することは、Oracleにとって重要な課題である。PeopleSoftの買収に際しては、ライバルを廃業に追い込むのがOracleの狙いだという疑念が渦巻いた。
フィリップス氏は、ISV向けのサポートを統合するためのプログラムも発表した。
このプログラムは「One Stop Support for ISVs」と呼ばれ、マルチベンダー環境のサポートを改善し、迅速な問題解決を図るための手段として、一部のISVに提供される。
同プログラムはOracleの既存の「Services for ISVs」プログラムを拡張したもので、ユーザーが複雑なマルチベンダー環境における問題を見つけるのを支援する際のOracleとISVとの間の連携ミスを解消するのが目的だ。
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