ビジネスGISは身近なところでも活用が進んできた。前編では活用事例を紹介したが、今回は「ビジネスGISに必要となる要素」、そして経営者にとって頼もしい参謀となる「ビジネスGISコーディネータ」について紹介しよう。
前編で紹介したの3つの例のように、意外に身近なところでもビジネスGISの活用が進んでいる。ビジネスGISのメリットは、わかりやすいデータマップにより、社員間で情報の共有化が進むという点だろう。また地域傾向をいち早くつかむことができるので、意思決定がより早くなるという利点もある。このように有効なビジネスGISを進めるのに必要なものを整理すると以下の4つになる(図1)。
1.のハードウェア、つまりパソコンやプリンタは現在市販されている一般のパソコンで十分であり、特別なワークステーションなどは必要ない。ただしOSは安定性からWindowsXP Professionalが望ましい。
2.ソフトウェア、つまりGISや商圏分析ツールはさまざまなソフトウェア会社が開発しているが、現在はどれも標準でビジネスGISに必要な基本機能(商圏描画、集計、主題図作成など)は大体網羅されており、機能において大差がない。しかし自社の知りたい情報を導き出す機能がどれくらい簡単操作でできるのか、作成したデータマップは共有できるのかなどといったいくつかの確認ポイントがある。
3.データウェアに関してはその扱いに注意が必要だ。個人情報を含むものもあるし、データの種類によってはライセンス(版権・使用権)があって、勝手にコピーしたり外部に提供できないものも多い。
特に重要なのは4.ヒューマンウェア、つまりこの業務の意思決定者であろう。意思決定者はデータマップを読み取り、方向性を導き出さなければならない。ヒューマンウェアを磨くためにさまざまな企業・団体が活動しているが、次にその一例としてGIS学会ビジネス分科会の活動を紹介しよう。
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