非Oracle環境に「ホット・プラガブル」、SOA拡大を狙う

日本オラクルは10月24日、同社のミドルウェア製品群を非Oracleの異機種混在SOA環境に適合させる「ホット・プラガブル」構想を発表した。

» 2005年10月25日 00時24分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 日本オラクルは10月24日、SOA環境の実現を目指すミドルウェア群「Oracle Fusion Middleware」を非Oracleの異機種混在環境に適応させる「ホット・プラガブル」構想を発表した。ユーザー企業は既存のIT環境を置き換えることなく、SOAへの対応を進めることができるという。

 ホット・プラガブル構想は、Oracle Fusion Middlewareの機能を切り出して非Oracle環境に対応させる方式と、非Oracle環境のシステムをOracle Fusion Middlewareに連携可能にする方式の2つがある。

 前者のOracle Fusion Middlewareの機能を切り出す方法が対応するのは、IBM WebSphereやBEA WebLogic、JBoss、TomcatなどのJ2EEサーバ。システム統合をする「Oracle BPEL Process Manager」はすでにWebLogicやJBoss上で稼働させることができ、「ホット・プラガブル」になっている。WebSphereに対してはOracle Application Serverの次期バージョン(10.1.3)で対応するという。

三澤氏 日本オラクルの執行役員 システム事業推進本部長 三澤智光氏

 同様に開発ツールの「Oracle TopLink」「Oracle Application Development Framework」(ADF)も主要J2EEサーバに対応する。TopLinkはWebSphere、WebLogic、JBossに対応。ADFはWebLogic、JBoss、Tomcatに対応済みで、WebSphereへの対応も進めている。

 非Oracle環境をOracle Fusion Middlewareに連携させる後者の方式では、Oracle Fusion Middlewareで統合開発環境のEclipseを使えるようにした。またOracle BPEL Process Managerが提供するアダプタを使って、IBM DB2やMicrosoft SQL Server、MySQLなどのデータベースと、Oracle Fusion Middlewareを連携させることもできる。Active DirectoryやSun Oneなどの主要ディレクトリサーバにも対応する。SOA環境でのアイデンディティ管理フェデレーションを実現するオラクルの「COREId」製品についても2006年初旬から出荷する予定だ。

 日本オラクルの執行役員 システム事業推進本部長 三澤智光氏はホット・プラガブル構想の狙いについて「いまある環境、資産を有効活用してよりよいシステムにする」と説明し、「既存システムとオラクルのミドルウェアをいかに融合させて新しい時代のアーキテクチャにしていくかをオラクルは支援する」と述べた。

 ミドルウェアなどSOA関連ビジネスを拡大するため日本オラクルは社内体制を強化する。日本オラクル社内で100人のエンジニアを選び、SOAについてのトレーニングを実施。さらにパートナーからもエンジニアを派遣してもらい、日本オラクル社内で実地で研修を行った。三澤氏によるとすでに12〜13人のパートナーのエンジニアがSOAや「Oracle Fusion Architecture」について学んだという。パートナー向けのトレーニングコースも設ける。

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