コラム
» 2005年11月25日 11時25分 UPDATE

その音源は誰のもの? ポッドキャストが投げかけるネットリテラシー (1/2)

ブログは文字と画像が中心だが、ポッドキャストは音声、ビデオポッドキャストでは映像、とあらゆるメディアが個人から配信可能な環境が整ってきた。メリットだけでなく、業界を巻き込む問題も表面化している。

[森川拓男,ITmedia]

 ポッドキャスティングやビデオポッドキャスティングが流行っている。それはブログへも波及しており、ブログサービスやブログツールの対応が進んでいるのは幾つかの既報通りだ。

 ポッドキャスティング(Podcasting)とは、ネット上での音声データファイルの公開手段であり、主にネットラジオなどを聴取する方法として使われていた。配信された音声ファイルはパソコンで聴くだけでなく、iPodなどのポータブルプレーヤーで聴くことも可能だ。さらに拡張したものとして、動画を配信する場合はビデオポッドキャスティングと呼んでいる。

自己表現を高めるポッドキャスティング

 ポッドキャスティングの流行は、iPodなどのポータルプレーヤーの流通に伴って促進された。放送局などが、ポッドキャスティングに対応した番組を開始したのも大きいかもしれない。

 しかし、もう一つ大きな要因がある。パソコンを使って自分が喋った内容をネット上に流すことが容易になってきたのだ。「ねとらじ」などのようにネットラジオを配信するためのポータルサイトも整備された。誰もがDJになって、気軽に配信できるようになったのだ。ただ聴くだけでなく、自ら発信できる。このことが、ポッドキャスティングの流行に一役買ったとはいえないだろうか。

 そして、ブログがポッドキャスティングに対応することで、その幅がかなり広がってきた。

 ネットラジオは、録音しない限りはその場限りのものである。しかし、ブログに掲載すれば、削除されない限り永遠に音声や映像が配信され続けるのだ。

 芸能人のブログでも、ポッドキャスティングに対応したものがある。ファンは、書かれた文章を読むのも楽しいが、その声を聴き、喋っている姿を想像するのもうれしいだろう。

 その喜びは、発信する側となっても同様だ。一人で喋り続ける人がいるかと思えば、複数のDJが絡んだラジオを放送する人もいる。ネットの便利なところは、それぞれが離れた場所にいても、さも同じ場所で話しているかのように自然なトークを配信することができることだ。後述する著作権にさえ注意すれば、自己表現を高める場としてポッドキャスティングは有効なツールとなる。

 ただし、それがブログと結びついた時に問題となることがある。それは、すぐに消えてしまうものではなく、残り続けるところだ。

 こんな事例がある、とあるグループが放送したネットラジオを録音したものを、そのメンバーの一人がアーカイブとしてブログへの公開を始めた。しかし、DJとして参加したメンバーの中に、放送後にそのグループを抜けた人がいたのだ。しかも、公開した本人はそのメンバーが今では仲間ではないという理由から、ブログにはそのメンバーのことを記さず、メンバーに事後連絡すら行わなかった。これは、後に問題になる可能性がある。やはり、自分以外の人間がかかわったものをブログに公開する場合は、面倒でも許諾の必要があるし、連絡ができない場合には該当する人物がかかわった部分をカットするなどの編集を余儀なくされるだろう。下手をすれば、損害賠償請求される可能性もある。

その音源は誰のものか

 さらにネットサーフィンをしていると、こんな事例も見かけた。

 とある歌手が行ったキャンペーンにおいて、ラジオの公開録音も行われた。この手の公開録音は、昔から行われており、かくいう筆者も学生時代に参加したことがある。ラジオの公開録音では、放送日も告知されており、「いついつ出演するよ」などという宣伝はよいとしても、内容の公開(ネタバレ)に関しては放送終了まで行わない、というのが暗黙の了解になっている。イベントによってはあらかじめ主催者側から告知される場合もある。

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