「Solaris」と「OpenSolaris」を語るSunのロイアコノ執行副社長Interview(1/2 ページ)

12月にSolaris 10の最初のアップデートを行うSunのロイアコノ執行副社長が、SolarisとOpenSolaris、それらへの支持の拡大、そして次期メジャーバージョンアップとなる「Solaris Next」について語った。(IDG)

» 2005年11月26日 07時30分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Sun Microsystemsの幹部によると、同社は12月にも「Solaris 10」オペレーティングシステムの初めてのアップデートをリリースする予定だという。Sunは先ごろ、Solaris 10に128ビットの「Zetabyte File System」(ZFS)という新たなファイルシステムを追加し、さらに、ほかのOS向けにデザインされたアプリケーションをセグメント化されたコンテナを介してSolaris上で稼働できる機能も搭載すると発表していた。

 ジョン・ロイアコノ氏は、Sunのソフトウェア部門執行副社長として、SolarisおよびJavaビジネスを含む同社のソフトウェア事業を率いる人物だ。1987年に入社して以来、Sun一筋に勤め上げてきたという。同氏はSunのオペレーティングプラットフォーム部門前副社長であり、その前は同社のCMO(最高マーケティング責任者)を務めていた。

 IDG News Serviceは先日ロイアコノ氏にインタビューし、Solaris 10や6月にリリースされたオープンソース版Solaris「OpenSolaris」に関して、また両ソフトウェアの関係について話を聞いた。本稿では、同インタビューを抜粋して紹介する。

―― OpenSolarisの公開から5カ月が経過しましたが、現状をどのように考えていますか? 開発コミュニティーの貢献状況はどうでしょう?

ロイアコノ 幅広い成功を収めていると思います。当初予期していたより10倍は好調ですね。(OpenSolarisプロジェクトに対する)技術的なフィードバックも見られています。

 開発コミュニティーの貢献に関しては、わたしたちの予想通りであり、予想外でもあるといった状況です。バグの修復も重要な作業ですが、OpenSolarisをPowerPCやメインフレーム分野に移植してリアルタイムOS(RTOS)に対応させようとしたり、OpenSolarisの要素を抽出して利用しようとしたりしている、一部の人たちの仕事に何より興味を抱いています。

オープンソース化で支持拡大

―― あらゆるソフトウェアをオープンソース化するというSunが以前発表した計画は、どこまで進んでいますか? PowerPCなどの新たなプラットフォームにOpenSolarisを移植するには、Solarisのすべてのプロプライエタリなバイナリも公開する必要があるのではないですか?

ロイアコノ OpenSolarisカーネルすべてが、オープンソースになっています。わたしたちがソースに対する権利を持っていないドライバのような要素も複数ありますが、これらにはビジネス上の権利を提供しています。現在こうした取り組みを進めているところで、(OpenSolarisの移植を)大いに促進しようと考えています。PowerPCやIBMのメインフレームにSolarisを対応させようとしている人たちに、呼び掛けを行っているわけです。

 こうした取り組みは、より多くのユーザーにSolarisへのアクセスを供与する上で非常に重要だと考えられるでしょう。今日では、Sunの製品以外でSolarisの動作を保証しているシステムは、DellからHP、IBM、Acer、Lenovoのものに至るまで、実に440から450製品も存在しています。

 ブレードではIBMとEgeneraがSolarisをサポートしており、こうした(Solarisに対応する)傾向は今後ますます進展するはずです。ドミノ効果といってもよいかもしれません。

       1|2 次のページへ

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ