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» 2005年11月21日 21時23分 公開

Sun、顧客の声に応えるべくSolarisの機能を強化

Sun MicrosystemsはSolaris 10に「ZFS」ファイルシステムや新しい仮想化技術である「Xen」、オープンソースの「Postgres」データベースなどを追加する。

[IDG Japan]
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 Sun Microsystemsは、自社のUNIX OSであるSolaris 10に、先進的かつ強力な128ビットの「ZFS」ファイルシステム、新しい仮想化技術、オープンソースの「Postgres」データベースなどを追加する方針だ。顧客の要求に応え、市場シェアの拡大を図るのが狙いだ。

 Sunの今回の動きでもう1つ重要なポイントは、「コンテナ」技術の追加である。セグメント化されたコンテナを使用することにより、Red Hat Linux用のアプリケーションをSolaris上で動作することができる。

 Sunによると、これらのコンテナは、セキュアな環境内でLinuxバイナリをそのまま実行することを可能にするという。以前にも同様の機能(「lxrun」ユーティリティなど)がSolarisに搭載されたことはあるが、新しいコンテナは、このプロセスを簡単かつシームレスなものにする。

 Sunは11月17日の発表で、これらの新機能は来年、Solaris 10に組み込まれる予定であると述べた。ただし、一部の機能については、年末までにソフトウェアアップデートを通じて提供する予定だとした。

 Sunのソフトウェア担当副社長ジョン・ロイアコノ氏は、新機能発表の記者会見で、「これまでSolarisに対して顧客から、プロプライエタリなレガシーOS、ハードウェアのサポートが貧弱、独立ソフトウェアベンダーのアプリケーションが少ない、といった批判を受けてきたが、これに対処するつもりだ」と語った。

 「われわれは、こういった批判に1つ1つ応えようと努力してきた」(ロイアコノ氏)

 Sunは6月、自社の古くからのUNIX OSのオープンソース版「OpenSolaris」をリリースした(関連記事)。今回発表された新機能は、年末までにOpenSolarisで利用可能になる。

 SunのOSグループのグレン・ワインバーグ副社長によると、データの整合性を向上させる128ビットZFSファイルシステムは、Sunにとってマイルストーンとなるもの。ZFSは、既存のファイルシステムよりも高い信頼性を実現するからだという。

 またZFSは、ディスクスペースをシステムに追加する作業を自動化するため、システム管理者にとってファイルシステムが簡素化されるという。「ファイルシステム内のファイルはすべて保護される。何がその下にあるのか考える必要はない」とワインバーグ氏は話す。

 1981年にUFFファイルシステムが開発されて以来、Solarisで新しいファイルシステムが採用されるのはZFSが初めて。ZFSはOpenSolarisですでに利用可能であり、Solaris 10では12月に、Sunのソフトウェアメンテナンスプログラムを通じて利用可能になる。同ファイルシステムは、来年5月までにリリースされるバージョンのSolaris 10に全面的に統合される予定。

 新しい仮想化技術は、現在進行中のオープンソースプロジェクト「Xen」の一環となるもの。Xenは、LinuxやSolarisなど複数のOSを、同一のハードウェア上で同時に実行することを可能にする。Sunはシステム管理技術も追加する予定であり、これにより仮想化機能の構成・実行のためのツールをシステム管理者提供する(関連記事)

 Xenのサポートは2006年9月までに、Solaris 10に組み込まれる予定だ。

 Sunによると、そのときまでに「Solaris Containers for Linux」機能もSolaris 10に組み込まれる見込みだという。コンテナを使用すれば、Red Hat Linux向けに書かれたアプリケーションがRed Hatシステム上で動作しているように「見える」という。しかし実際には、Solarisカーネル上で区画された特殊なコンテナ内で動作する。このコンテナ機能は、年末までにOpenSolarisで利用可能になる。

 SUSE LinuxやDebianなど、ほかのOS用のコンテナも開発中なのかとの質問に対し、ワインバーグ氏は、追加コンテナもいずれ提供する予定だと答えた。「BSDコミュニティーの間では、Solaris上でBSDアプリケーションを利用したいという要望が強い」(同氏)

 Sunによると、オープンソースのPostgresデータベースをSolaris 10に統合する目的の1つは、顧客がPostgresコミュニティーに依存しなくても、Sunから直接、同データベースに関するサポートを受けられるようにすることだという。

 Postgresは当初、Sunのサイトからのダウンロードを通じて提供されるが、来年にはOSに組み込まれる予定だ。ワインバーグ氏によると、PostgresはSolarisに統合するデータベースとして最も適した特質を備えているが、将来的には、ほかの統合型データベースも組み込む可能性があるという。

 「現時点でPostgresとの連携を発表したからといって、それで終わりということにはならない」と同氏は語る。顧客はさまざまなオープンソースデータベースを求めていると考えるSunでは、Solarisをこれらのデータベースに適したプラットフォームにする考えだ。

 Sunはこれまでに、Intel x86およびAMD Opteronベースのハードウェア上で動作するSolaris 10を330万ライセンス販売した。来月リリースされるSolaris 10の次期アップデートには、x86およびx64ハードウェア用のGRUBブートローダも含まれるため、同一システム上で複数のOSを実行するのが容易になる。

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