無償の仮想化ソフト「VMware Player」公開、Firefox搭載のセキュアな「Browser Appliance」も

VMwareが「VMware Player」をリリースした。Microsoft WindowsやLinuxが稼動するデスクトップPC上に隔離された仮想マシンをつくり、その中で安全にソフトウェアを走らせることができるという。(IDG)

» 2005年12月13日 10時24分 公開
[IDG Japan]
IDG

 仮想化ソフトウェアベンダー、VMwareは12月12日、「VMware Player」(Version 1.0.0 )をリリースした。この無償の製品を利用すれば、Microsoft WindowsやLinuxが稼動するPC上に仮想マシンをつくり、その中でソフトウェアを走らせたり、評価したり、共有したりできるという。VMwareはまた、「Browser Appliance」というもう一つの無償製品でもMozilla Corp.と協業してきた。この仮想マシンは、MozillaのFirefoxを装備している。

 こうした動きは、同社ソフトウェアの利用を促進し、同社の仮想化製品を核としたユーザーやサードパーティーベンダーのコミュニティーを構築していく取り組みの一環だ。

 VMwareでは、(ホストOS上で)ゲストとして32ビットOSや64ビットOS、そしてアプリケーションをほかのデスクトップソフトウェアとは隔離して走らせることができる仮想化されたx86 PC環境として「仮想マシン」を定義している。複数の仮想マシンが同時に同じホストマシン上で動作する。

 ユーザーはさまざまな理由から、とりわけセキュリティ上の理由から仮想マシン内でソフトウェアを走らせることを選択できる。VMwareによれば、例えば、Webブラウザを隔離することで、ユーザーはマルウェアの侵入を防ぎ、パスワード、口座番号といった個人情報の守ることができるという。

 また、Browser Applianceでは、セッションが終わるごとに自動的にリセットするような設定を選択でき、そうすることで個人情報がオンライン上に永久に保存されないようにする。

 x86サーバの仮想化にフォーカスしてきたVMwareは、ストレージベンダーであるEMCの独立した子会社だ。Mozilla Foundationのスピンオフ、Mozilla Corp.は、FirefoxやThunderbirdの開発およびリリースの面倒を見ている。

 リリースによれば、VMwareでは来年早々、開発者に向けて拡張やカスタマイズが可能なVMware Playerをリリースする計画だという。Googleは、ユーザーが仮想マシン内でWeb検索できるよう、同社の検索機能をVMware Playerに統合すべく、VMwareと協業してきた。VMwareは、数社のサードパーティーがVMware Playerを再配布できるようにするという。

 VMware PlayerとBrowser ApplianceのVersion 1.0.0は同社サイトで公開されている。

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