こんなことは、改めて言うようなことでもない。実際にテキストマイニングを実施しているCCはどのくらいあるかを、『コンタクトセンター白書2005』(リックテレコム刊)で調べてみた。すると、「27%」とある。意外に多い。このうち4%は、「マイニング結果に基づいたワンツーワンマーケティングを実施している」という先進企業だ。ほかの23%の「実施」の中身についてははっきりしないが、「それほど本格的ではないものの、データ分析、活用をしている」ということなのだろう。また残りの企業においても、実に52%が「今はデータ分析にまで至っていないが将来的にはマーケティング、セールスに生かす予定」と答えている。これらを見ると、ともかく流れがこちらに向かっていることが分かる。
だが、テキストマイニングを導入すればバラ色の将来が保証されるとは限らないようだ。これまた例によって、CC業界に詳しい「業界くん」がそのことを解説してくれた。
「分析結果を社内のいろいろな部門が使う場合、それぞれ掘り下げたいデータが異なる。新製品の使い勝手を知りたい部門と売れ行きを知りたい部門とでは関心の向け方が違ってくる。そういう事柄を拾い出すためには、マイニングシステムのチューニングが必要になるんだ。このシステムはまだ発展途上で、どんなことでもすぐに分かるようにはできていないんだよ」
現実的には課題もあるということか。さらに話は続く。
「すると、『結局、CCのデータは使えないじゃないか』と言い出す部門が出てきて、社内のデータ連携が進まないことになる。うまく使いこなすには、システムの特性や限界を知って、データが読めるコーディネーターが必要になるっていうことかもしれないね」
なるほど、今回の彼の解説はまともな話だった。
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