Sun、エンタープライズJava開発環境の新版をβリリース――Javaの配備とWebサービス開発の簡素化が狙い(2/2 ページ)

» 2006年02月23日 17時00分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK
前のページへ 1|2       

SunがJava EE 5で目指すもの

 Sunによると、現在までに、NetBeans IDE(統合開発環境)のダウンロード数は800万件を超えたという。NetBeans Enterprise Pack 5.5 Software Previewには、NetBeans 5.0 IDEのすべての機能に加え、これまで「Sun Java Studio Enterprise Software」でしか提供されていなかった機能が含まれる。

 このプレビューバンドルは、Java EE 5 Platform開発およびSOAアプリケーションの作成を可能にするツールを開発者にいち早く提供するものだ、とSunでは説明している。これらのツールとしては、UML(Unified Modeling Language)ツール、SOAアーキテクト向けのビジュアルデザインツール、Java EE 5 Platform SDK Preview(「Sun Java System Application Server PE 9」のβ版が添付される)などがある。

 「われわれは、Java EE開発モデルを大幅に簡素化することにより、開発者が複雑さやボイラープレートに悩まされることなくJava EEのパワーを活用できるようにすることが最大の課題であると認識した」とハミルトン氏はブログに記している。Java 2 Enterprise Edition 1.4(Java EEの現行版)では、ボイラープレートが問題となっていたという。

 「この課題は、J2SE 5.0とJava EE 5を貫くEase of Development構想を推進する主要なモチベーションだった」(ハミルトン氏)

 ハミルトン氏はJava EE 5の目標として、以下の項目を挙げている。「共通のボイラープレートをなくすこと。“POJO”(Plain Old Java Object)にフォーカスすること。デフォルトを改善し、一般的なケースの90%に対応できるようにすること。デプロイメント記述子を不要にすること(ただし後で追加することは可能とする)。“ソースコードに真実がある”ことを重視し、ソースコードがプログラムの動作を明確に指定するようにすること」

 さらに同氏は、次のように付け加える。「当初の重要な決定の1つが、より宣言的なプログラミングモデルに移行することだった。振る舞いをプログラム的にコーディングするよう開発者に要求するのではなく、何らかの宣言的なスタイルで振る舞いを指定すれば、ツールとライブラリが開発者の意図を認識し、開発者に代わってプログラム的な処理をするようにしたいと考えた。しかしそれと同時に、振る舞いを指定する手段として、複雑なXMLファイルやあいまいな命名パターンの使用を避けたかった。シンプルな宣言的コーディングを可能にする一方で、ソースコードの真実を重視するという考え方に戻りたかったのだ」

 Java EE 5の公式β版はこちらから入手できる。

 またSunは2月21日、新しい「Sun DSP」(Developer Service Plans)プログラムも発表した。同社によると、このプログラムは、アプリケーション開発の学習サイクルを短縮し、開発の生産を高めるのに役立つとともに、Solaris 10、Java技術およびJava Enterprise Systemに対応したエンタープライズ向けアプリケーションを構築する際にSunのソフトウェア開発ツールを利用するのを支援する。

 Sunによると、DSPでは、製品のサポートとアップデート、トレーニング、プログラミング上のアドバイスといったサービスが提供され、これにより、開発から配備に至るアプリケーションライフ全体を通じて時間の節約とリスクの減少が可能になるという。

前のページへ 1|2       

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

注目のテーマ