Borland、IDEを引き継ぐ新会社設立へ

IDE部門分離による新社名はDev……。カンファレンス基調講演に合わせて来日したインターシモーネ氏にインタビューを行った。同氏は、「23年間のIDEに関するノウハウは、新会社で引き継がれる」と強調している。

» 2006年03月03日 11時00分 公開
[木田佳克,ITmedia]

 既報のように、米Borland Softwareは同社のIDE(統合開発環境)売却を表明していたが、新会社設立によって引き継がれることを、来日中の米Borland、デベロッパーリレーションズ担当副社長兼チーフエバンジリスト、デビッド・インターシモーネ氏が明らかにした。3日(金)に開催の「Borland DevCon 2006 Tokyo」でも表明する。

Tシャツのトレードマーク「Borland」を隠す仕草を見せたデビッド・インターシモーネ氏。IDEへの意気込みが熱く健在

 具体的なものとして、例えばCore SDPとJBuilderの連携形態は今後どうなっていく? の問いに対し、BorlandとIDEの新会社とは、これまでのALM(アプリケーションライフサイクル管理)やSDO(ソフトウェア開発最適化)戦略と今後も関係を築いていくとしており、決別ではないことをインターシモーネ氏は強調する。

 また、DevCon 2006 Tokyoは当初、IDE部門が先行き未定な時期に協議があり、見送るべきか? との意見もあったという。しかし、日本のデベロッパーに対し、現在の製品を引き続きサポートしていくことを強調したいとし、開催を決定したという。同カンファレンス、午後のテクニカルセッションでは、新たなIDEのインタフェース構想や未来についても語られる。

 インターシモーネ氏は、新会社設立について同氏のブログでもコメントしているが、これまでのIDEへの意気込みをさらに高めていくため、新たなるスタートに期待してほしいと語っている。

 新会社名は、現在のところ未定。しかし、インタビューの席では、これまでのBorlandのカンファレンス略称「DevCon」にも代表されるように、Devを含めたものになることが協議されていると明かした。

 今回のIDE部門売却報道について、一部では商用開発ツールでの優位さについて疑問、という意見が飛び交った。事実、オープンソースのEclipseを始め、多くの開発環境がすでに商用の領域ではないのでは? というコメントも多い。しかし、インターシモーネ氏は、「Borlandで23年培ってきたIDEのノウハウは健在。デベロッパーの生産性向上を第一に考えれば、オープンソースだけでは実現できていないと語る。そして、何をもってIDEとして定義すべきか? という問題もあり、やるべきことはたくさんあるのだ」と今後の躍進を印象づけた。

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