顧客満足度向上でシェアナンバーワンに挑むデルのメリット社長Interview(1/2 ページ)

デルのジム・メリット社長は6月20日、就任以来初となる記者会見に臨んだ。「日本のサーバ、ストレージ市場には大きな機会があり、ここを強化して成長したい」とするメリット社長に話を聞いた。

» 2006年06月21日 12時44分 公開
[浅井英二,ITmedia]

「4月の社長就任から60日。多くの顧客、パートナー、そして従業員らの声を聞いた」── 6月20日、都内のホテルで就任以来初となる記者会見に臨んだデル日本法人のジム・メリット社長は、こう切り出した。16年間働いたIBMでは、PC設計のエンジニアとしてキャリアをスタートし、すべてのサーバ製品の戦略やマーケティングを統括する責任者として腕を振るった。Dellでは、大手企業顧客を担当するグローバルセールス部門の強化やエンタープライズ向けソリューションの拡充に取り組んできた。「日本のサーバ、ストレージ市場には大きな機会があり、ここを強化して成長したい」とするメリット社長に話を聞いた。

IBMではフロリダ州ボカラトンでPCのデザインを担当したというメリット社長

ITmedia 着任から60日が過ぎました。まず、日本市場についての率直な感想をお聞かせください。

メリット わたしはDellに入社してから7年間、上位250社の法人顧客を担当するグローバルセールス部門の強化に取り組んできました。その経験に照らしても、日本の企業顧客にそれほど違いは見られません。彼らは、インテルアーキテクチャー(IA)の標準化された技術やスケールアウトの手法によってIT投資のリスクを低減したいと考えており、製品やサービスには高い品質を要求し、細部にまで気が配られているかを重視しています。

 ただ、米国の顧客らと比べて、よりサービスまで統合されたソリューションを求めているように感じます。1社が窓口となって、いろいろな製品や技術を統合して提供してほしいと望む傾向があります。

 いずれにせよ、日本市場であれ、米国をはじめとするそのほかの市場であれ、きちんとやるべきことを実行し、顧客のニーズを満たしていくことにわれわれはコミットしています。

 日本でのビジネス機会について言えば、エンタープライズ分野、特にサービスに大きな機会があります。システム統合やレガシーマイグレーションをエンドツーエンドで支援するデル・プロフェッショナル・サービスのほか、クライアントPCのようなITアセットのライフサイクル管理を支援するデル・マネージド・サービスを日本市場でも売り上げを伸ばしていきたいと思っています。

日本市場におけるサービスの成長機会は大きい

ITmedia システムインテグレーターが窓口となって、さまざまな技術を統合してくれることに慣れている日本の顧客のニーズにデルモデルはこたえることができるのでしょうか。

メリット 確かにベンダー固有の技術や製品には、それがきちんと機能するためには手厚いサービスが必要になるかもしれません。そんな中でも、デルのソリューションを導入してくれる日本の顧客は増えています。実績がそれを証明しているのです。

 顧客が標準化された技術や製品、そして製品に統合されたデルのサービスを求める傾向はピークを迎えたわけではありません。ますます加速しているのです。

 システム統合、レガシーマイグレーションといったIT基盤の刷新やセキュアで堅牢なIT基盤の構築をエンドツーエンドで支援するデル・プロフェッショナル・サービスは高い伸びを示し、第1会計四半期(2〜4月期)は前年同期比100%増を記録しています。

 また、デル・マネージド・サービスは、IT資産の購入・設置から廃棄に至るまで、そのライフサイクル全般を管理するもので、グローバル企業では、10万単位という大規模なクライアントPCの管理を支援しています。ワールドワイドでは、約130万シートの管理を支援しており、日本市場でも潜在的なニーズが高いと思っています。

 過去最大規模の案件となった防衛庁に対する5万6000台のクライアントPC納入に際しても、マイクロソフトと連携して、「カスタマー・ファクトリー・インテグレーション」と呼ばれるサービスを提供します。これは、顧客が必要とする環境に設定してから出荷するもので、現場で人手による導入作業を減らせるため、コストを節約できるほか、人的エラーを排除して品質を高めることができます。

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