日本プロセスとアイログ、J-SOX対応統合ソリューション提供の真意

「ビジネスルール管理とビジネスプロセス管理の補完関係によって、業務の可視化と統制を実現」。アイログと日本プロセスは、両社のプロダクトを連携させて統合ソリューションを提供する。

» 2006年07月04日 18時10分 公開
[ITmedia]

 アイログと日本プロセスは7月4日、企業における内部統制環境整備を目的とした協業ソリューションについて、都内で記者会見を行った。

 協業発表で明らかにされたソリューションは、両社がそれぞれ持つBRMS(ビジネスルール管理システム)とBPMS(ビジネスプロセス管理システム)を組み合わせることで、日本版SOX法の対応支援が目的のもの。

 日本プロセスの「Savvion Businness Manager」を利用したBPMSによる業務内容の可視化実現、アイログの「ILOG JRules」によるBRMSで業務の複雑な判断を整理する。そして、それぞれの連携によって業務の流れとルールのコントロール環境を実現する。

 「内部統制は企業の中で1つの仕事のようにとらえられがちだが、業務と常にリンクしておくことが重要。業務の一部として考える必要がある」と日本プロセス、ザヴィオン事業部の宇野澤庸弘氏。また、会見中の質問に対し同氏からは、BPMSやBRMSといったスタンダードによって選択肢が多いという恩恵の一方で、「ソリューション提供はSIによる影響が大きなところでもある。しかし、今回の協業発表のようにシステムの提供ベンダー自らがデータ連係を保証することは大きなポイント。システム自体の複雑さも軽減され、導入のための敷居も下がる」と言及した。

 続いて日本プロセス、ザヴィオン ビジネスユニットマーケティング エンジニアの菊田朋史氏は、BPMSのプロセス管理を中心とした内部統制の目的として幾つかのポイントを挙げた。

 業務統制実現のためには、システム化の課題、導入ルールの自動化、柔軟な変更が可能なプロセス管理システムの実現、そして全体的に言えることが「業務のモニタリングこそが重要」という。例えばその一端として両社によるソリューションであれば、BPMS上でハイリスクな処理が発生すれば、リアルタイムにBRMS上で監査が行えるよう連携しており、業務の可視化実現が図られている。

 さらに、「BRMSの良いところはシミュレーションが可能なところ」と菊田氏。これにより、改善と変更のサイクルを早められることが期待できると強調した。

 アイログからは、BPMSとBRMS相乗による統制管理システムについてが言及され、これまでに金融を始め、生損保、製造業、テレコム、地方自治体などの業界で効果的なものだと実績が示された。従来まで非IT業界では、IT化が業務を阻害する足かせとなる傾向もあったが、日本版SOX法が必須となるグローバル展開、グループ間業務が活発な企業では、急務なことも事実。統合ソリューションならではの提供ができる、と両社は自信を見せている。

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