クリック数を減らして情報の鮮度を保つ個人投資家がいつも立ち寄るIRページの秘密(3)(1/2 ページ)

経営の安定を図るために、経済のプロとは限らない投資家との接点をいかに充実させるか。そのポイントを探るべく取材を重ねてきた。今回は個人投資家向けの株式投資情報サイト運営企業に話を聞いた。

» 2006年08月17日 08時00分 公開
[アイティセレクト編集部]

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情報取得にかかる時間を短縮。ウェブIRで試される効率性

 多様の経済情報をウェブで発信しているビジネスの中にIRサイト活性化のヒントが見つかるかもしれない、という予測のもと、取材をお願いしたのは、ストックウェザー社。同社は個人投資家向けの株式投資情報サイトを運営、国内主要市場の全銘柄のライブ株(20分遅れ)および企業情報などを提供している。市場前日比の暴落を色で瞬時に把握できるストックウェザーマップ、証券各社の銘柄レポート、セミナーの実施などその活動は多岐にわたる。

 企業向けのソリューションとしては、株価配信を手がけており、個別企業の株価を低コストでその企業のIRサイトに掲載することができる。これは画面上からアイコンなどをクリックして株価画面に飛ぶのではなく、IRページそのものに株価が開示できる仕組みだ。あたかも、自社サイトで株価情報を提供しているように見えるのである。

 同社のサイトは月刊ユニークユーザー約7万人で、月間ページビューは850万ページビュー。利用している個人投資家の主要な層は、投資歴10年以上の人だという。

ストックウェザー代表取締役 桐山康宏氏

 同社代表取締役の桐山康宏氏は利用者について次のように語る。

 「ウェブアンケートを利用者の皆さんにしたところ、月の売買回数は2、3回程度の人が多く、デイトレーダー的な人は少なかったですね。やはり情報を見極めて確実な投資をしていきたいとお考えになる方が当社のサイトを利用していただいていると分かりました」

 日々の株価に一喜一憂することなく、投資の確実性を強く意識している個人投資家にはやはり分かりやすい豊富な情報が必要となる。しかも、必ずしも同社のサイトを毎日見に来るとは限らない。少しでも不満を持ったら二度と来なくなる可能性がある。

 もちろん同社もそんなことは百も承知で、新しいメニューを次々と打ち出すとともに、投資の初心者向けの情報を発信して、新しい「顧客」を生み出そうとしている。

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