仮想化技術の普及へパートナーとともに歩むIntelInterview(1/2 ページ)

インフラを効率的なものに変える仮想化技術に企業は着目し始めている。仮想化実現に向けた大切な要素は何か? Intelはどのように仮想化技術の普及に取り組んでいるのか?

» 2006年09月28日 07時30分 公開
[浅井英二,ITmedia]

シリコン技術の進化に伴ってプロセッサの性能が飛躍的に向上する中、その性能を十分に引き出し、インフラストラクチャーを効率の良い、そしてコスト効果の高いものに変革できる「仮想化」技術に企業顧客らは大いに関心を持っている。仮想化自体は、1970年代にIBMがメインフレーム上でサポートして以来、実に30年の歴史があり、そのIBMも、例えばUNIXサーバのSystem pにメインフレームの機能をふんだんに盛り込み、「サーバ統合」をうたうなど、仮想化技術の売り込みに余念がない。Intelはこの仮想化技術にどう取り組むのか。Intelのデジタルエンタープライズグループで「*Ts」(スターティーズ)のマーケティングを担当するディレクター、ローリー・ウィグル氏に話を聞いた。

マーケティング面では「仮想化」と「エネルギー効率」が最も重要なメッセージ、と話すウィグル氏

ITmedia ハードウェアを仮想化し、これまで強固だったソフトウェアとハードウェアの結びつきを緩くしてやることは、さまざまなメリットをもたらすし、それゆえ、企業のIT部門も関心を持っています。しかし、「技術的にできる」ということと「広範に採用が進む」ことのあいだにはまだまだギャップがありそうです。

ウィグル どのような技術でもそうですが、広範な普及への道筋として、PoC(Proof of Concept)プロジェクトから始め、簡単な利用モデルでテスト、そして成功を繰り返して、しだいに基幹業務システムへと仮想化を展開していきます。こうしたアプローチであれば、IT部門もツールに慣れ親しむ時間を十分に取ることができます。

 そして次のステップとしては、本格的な「サーバ統合」に取り組むことになります。ほとんどの企業においては、サーバの稼働率は15〜30%にとどまっています。1台の物理的なサーバを仮想化し、複数の論理的なサーバを生み出すことによって、効率の良い、コスト効果の高いインフラストラクチャーに変えることができます。これは企業にとっては財務的な観点からとても魅力的なことです。

 米国市場において仮想化の普及に弾みがついているのは、企業が競争上の優位を得るためには、この新しい技術を利用することが必須となっているからです。

ITmedia サーバ統合の機能は、これまでにもビッグアイアン(大型のUNIXサーバ)が企業顧客に売り込んできました。

ウィグル Intelはプロセッサに仮想化技術を組み込みましたが、ソフトウェアがその機能を活用することによって初めて顧客はメリットを享受できます。例えば、VMwareでは、旧バージョンのOSとアプリケーションがそのまま移行できます。ソフトウェアを書き換えることなく、新しい効率の良いハードウェアを活用できるのです。

 また、Intelのプロセッサはオープンです。VMwareだけでなく、Micorosft、オープンソースの仮想化ソフトウェアであるXenもサポートしています。

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