リリースに向けて、ジェイミソン氏が語るWindows Vista(2/2 ページ)

» 2006年10月11日 07時00分 公開
[聞き手:柿沼雄一郎,ITmedia]
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ITmedia 運用・管理の面からVistaが優れている点は?

ジェイミソン 顧客が求めているものは、エンドユーザーの生産性向上と、トラブルシューティングの時間を短縮できること、そしてIT全体のコスト削減です。さらに、ITProにとってはアプリケーションの互換性が非常に高い関心事になっていました。そのためマイクロソフトは、Vistaのβ2からアプリケーションの互換性を調べるツールキットを提供しました。このツールから得られた情報はオンラインデータベース上に蓄積されており、誰でも参照することができます。さらにVista Enterpriseエディションでは、互換性を重視するアプリケーションのために仮想PC環境を作り出すVirtual PC Expressが含まれています。

 また、年間の保守コストが一千万円を超えるといわれているPCへの展開イメージの保持をできるだけ少なくして、パッチの適用などを簡単に行うファイルベースイメージの手法を採用しており、それを手軽に行うツールが用意されています。

 PCを安全に運用するという面からは、先ほどのBitLockerも有効です。また、通常の状態では最低限の権限しか与えないユーザーアカウントコントロールや、スパイウェアから保護する「Windows Defender」も搭載されています。これらはすべて、企業のIT部門がPCを安全に保つための手助けをしてくれるものです。

ITmedia β2版までのパフォーマンスに関する問題は、RC版で改善されたのか?

ジェイミソン 私自身、6カ月前から開発途中のVistaを使っていますから、パフォーマンスへの懸念ということはよく分かります。しかし、RC1では大きな改善が見られました。使ってみていただければ、その違いに気付くと思います。

 ユーザーやパートナーの方々にとっては、ソフトウェアのパフォーマンスは当初から大きな関心事でしょう。しかしながら開発者にとっては、パフォーマンスの最適化については最後のほうで取り掛かるものになりがちです。そうした努力の結果がRC1およびRC2には反映されていると信じています。

ITmedia Vistaのマルチメディア機能やUIは、企業内ユーザーにも活用されるべきものか?

ジェイミソン マイクロソフトでは、ソフトウェアの力で人々の可能性を最大限に実現するというビジョンを掲げています。われわれとパートナーは、より良いリッチな環境でPCを利用する経験をしてもらうことが重要であると考えています。

 例えば米国の調査会社によれば、IWが情報を探すために浪費する時間をコスト換算すると、年間で1500ドルにも上るといわれています。先ほども紹介したVistaのビジュアルな検索機能に価値を見出していただけると信じています。また、ガジェット(デスクトップに置くことのできる世界時計やニュース小見出しなどのミニアプリケーション)にも、有用となるビジネスアプリケーションの可能性があると思います。データをグラフィカルな形で提示することで、ユーザーに利便性を与えることができるのです。素晴らしいハードウェアとソフトウェアの組み合わせを最大限に活用して、ビジネスユーザーの可能性を高めていただくことがわれわれの願いです。

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