セールスフォース・ドットコム 代表取締役社長 宇陀栄次氏――「歴史に学べ!」先駆者が語る“IT産業の未来”(3/3 ページ)

» 2006年11月08日 09時00分 公開
[松岡功,アイティセレクト編集部]
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ビジネスコンセプトは「The Business Web」

アイティセレクト セールスフォース・ドットコムはこれからどんな企業になっていくとお考えですか。

宇陀 私たちは最近、オンデマンド・ビジネス・サービスによる自らのビジネスコンセプトを「The Business Web」という言葉で表しています。前にも少し触れたように、コンシューマーの世界でグーグルやヤフーが果たしてきた役割を、ビジネスの世界ではセールスフォース・ドットコムが担いたいと。日本ではとくに、ポータルサイトとして今も確固たる影響力を持っているヤフー日本版のように、派生ビジネスが大きく膨らむハブのような存在になりたいですね。

 冒頭で社名にまつわるイメージの話をしたが、宇陀氏もセールスフォース・ドットコムに招へいされたとき、こう思ったそうだ。「SFA、ASP、ドットコムというと、IT業界ではいわば“失敗の3乗”。どうしたものかとも思いましたが、ビジネスモデルは米国の学術機関もこれからのIT産業のケーススタディにしたほどの筋金入りの内容でした。私自身もこれからのWebサービスの技術に大いなる可能性を感じていたので、これは伸びるかも、と思いました」。社名から受ける廃れたイメージは誰もが感じるだろうが、そこは創業者であるマーク・ベニオフ氏の確固たるこだわりがあるのだろう。米国本社の上級副社長も兼ねる宇陀氏のエネルギッシュな話しぶりに、本物のドットコム企業の勢いと迫力を感じた。

プロフィール●うだ・えいじ

1956年8月生まれ、東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、81年に日本IBMに入社。大手企業担当の営業部門を経て、社長補佐、製品事業部長、理事・情報サービス産業事業部長などを歴任。2001年ソフトバンク・コマース社長に就任。04年3月米セールスフォース・ドットコム上級副社長に就任(現兼務)し、同年4月より現職。

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