日本SGIとプロメテック、世界初となる粒子法流体解析のソリューションを発表

日本SGIとプロメテックは、従来の格子法による流体解析の限界を打破する粒子法流体解析ソフトウェア「FLUIDSISTA」を発表した。


 日本SGIと東京大学発のベンチャー企業であるプロメテック・ソフトウェアは11月10日、両社が共同開発を行った粒子法による流体解析ソリューション「FLUIDSISTA」を12月から販売することを明らかにした。粒子法を商用ソフトウェアとして実用化して販売するのは世界でも初めて。

img_01.jpg FLUIDSISTAを用いた解析結果の一例

 FLUIDSISTAはプロメテックのCTO(最高技術責任者)である越塚誠一博士(東京大学大学院工学系研究科教授)が考案した粒子法(MPS法)によるシミュレーション手法を技術基盤としたもの。

 従来の液体シミュレーションは差分法、有限体積法、有限要素法など手法が存在するが、いずれもメッシュ(計算講)を必要としており、その生成作業に非常に時間が掛かっていた。また、計算結果が格子の形状に沿って出力されるため、水面の微妙な変化や飛沫の解析、さらに水面の大きな変化にメッシュ生成が追随できないなどの問題もあった。メッシュ法でこうした問題に対応するには、メッシュの格子幅を細かくしたり、リメッシングなどを行う方法が挙げられるが、いずれも時間と熟練した技術を要するものとなっており、この点が流体解析の課題としてしばしば挙げられる。

img01.gif 従来の流体シミュレーションとの違い(出展:日本SGI)

 これに対して今回発表されたソリューションで用いられている粒子法は、粒子を用いた粒子間相互作用モデルを使って流体の計算を行うため、自由表面流れや流体の分裂・合体を高い精度で解析できる。格子法による計算では困難であったしぶきや水滴、それらを合わせた現象の表現も容易に実現できるため、従来の流体解析ソフトでは困難であった土石流や都市の地下水害、津波などを高い解析精度と表現力で実現可能となる。

 CAE解析の専門家でなくとも、地形データやCADといった物体の形状を現すデータがあれば、ダイレクトに流体シミュレーションを実行可能となる。また、水の流れと地盤の両方を粒子モデルで表現することで、これらを同時に解析できるため、土石流で削られる山肌などの現象も統一した計算で解析可能。

 同ソリューションのプラットフォームとしては、「SGI Altix」シリーズや先日発表された「Asterism」が想定されており、想定する粒子数の規模に応じて3つのソリューションに分けられている。50万粒子程度(500メートル四方)であれば、Asterismで、それ以上の規模、例えば土石流が発生する河川の上流から下流にかけての大規模な解析を行うのであれば、クラスタ構成やAltixを利用することになる。なお、16CPU構成のAltixを用いた場合、約2000万粒子(1,5キロ四方)の解析も可能。

 価格は200万円から。

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