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» 2006年11月28日 07時00分 UPDATE

MS、包括的な広告ソリューションを提供する新プログラムを発表

Microsoftは、複数の同社製品上での広告を包括的に提供する新しい広告プログラム「Digital Advertising Solutions」を発表した。検索連動型広告分野での不振を穴埋めできるだろうか。

[Matt Rosoff,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 Microsoftは、MSNおよびWindows Live WebサイトやXboxゲームなどの複数のMicrosoft製品上での広告をまとめて購入できる新しいプログラム「Digital Advertising Solutions」を発表した。ここ数年MSN事業部での最も成長率の高い収益源となっているディスプレイ広告事業を拡大することで、検索連動型広告事業の不振をカバーできるかもしれない。

広告収益の牽引車はディスプレイ広告

 広告事業は、Microsoftのオンラインサービス(旧:MSN)事業部門の最大の収益源である。2006会計年度(期末:2006年6月30日)では、広告事業による収益は金額にして約14億ドルと、9%の成長を記録している。一方、同期間でのMSNのインターネットアクセスサービスによる収益は、ほかのプロバイダが提供するブロードバンドサービスへのユーザーの移行が響き(MSNはブロードバンドサービスを提供していない)、28%減少して7億ドルとなり、Hotmail Plusなどそのほかのサブスクリプションサービスの収益は、わずか2億5000万ドルでしかない。

 MicrosoftはMSNの財務業績の詳細を公表していないが、同年度の検索連動型広告(検索結果と並べて広告を表示する形態の広告)による収益は減少していることを認めている。検索連動型広告は、GoogleおよびYahoo!の主要な収益源であり、両社の成長を支えるビジネスとなっている。また、2006年のオンライン広告費全体の40%が検索連動型広告に流入していると予測されているが(eMarketer調べ)、Microsoftはこの波に乗れずにいるようだ。この原因の1つとしては、Microsoftが独自の検索連動型広告プラットフォームadCenterを導入したのがつい最近の2005年末であることが挙げられる。それまで、Microsoftは長年にわたりYahoo!のOverture事業部が提供する検索連動型広告サービスを利用してきた。また、別の原因は、Microsoftのオンライン検索エンジンが確保できているシェアが少ないことにある。例えば米国市場での同社のシェアは13%であるのに対し、Yahoo!は約29%、Googleは44%である(2006年7月統計、comScore調べ)。

 検索連動型広告の代わりにMSNの収益源として最も高い成長を見せているのが、ディスプレイ広告である。ディスプレイ広告では、MicrosoftのWebページ上で特定のバナーやインタラクティブ広告が表示されるたびに広告料が課金されるか、広告主がスポンサーとなる記事コンテンツを配した特別なWebサイトを設けるなど、より規模の大きい広告サービスを一括で買い上げる。Microsoftはこの種類の広告をMSN以外にも展開し、また検索連動型広告事業を成功させることで、広告ビジネスを今後3年間で年間収益80億ドル規模のビジネスに成長させることを狙っている。

包括的な広告プログラム「Digital Advertising Solutions」

 Microsoftは2006年9月に、ブランド広告向けの新しいプログラム「Digital Advertising Solutions」(DAS)を発表した。DASは、これまでMSNの広告を販売してきたセールス部門が開発したもので、販売も同部門が担当する。DASにより、MSN、Windows Live、そしてFacebook(Microsoftの広告パートナー)上での広告をまとめて購入できるようになる。同プログラムでは、Office Online(Microsoft Office製品の情報サイト)をはじめとするほかのMicrosoft.com、Office Live(小規模企業向けの総合ホスティングサービス)の無料サービス、Xboxゲーム内での広告(2006年5月に買収したMassiveにより配信)やXbox Liveおよびゲーム関連のメルマガなど関連サービスでの広告なども間もなくカバーする予定だ。またMicrosoftは、いずれIPTVやWindows Mobileプラットフォームにも同プログラムを展開するとしているが、この点については、多少の疑いを持って受け止める必要があるだろう。Microsoftはこれらのプラットフォームをサービスプロバイダに販売しており、サービスプロバイダはMicrosoftが自分たちの顧客を利用して広告収益を上げることを認めない可能性があるためだ。

 DASは広告主にとって時間の節約になる。これまでは、広告を出すサイトやサービスごとに別の担当者に連絡をとる必要があった。またDASにより、複数のサイトやサービスにまたがり、より効果的なキャンペーンを展開できる可能性もある。例えば、18〜24歳の男性を広告ターゲットにする場合、Windows Live Messenger、MSNのFox Sportsサイト、一部のXboxゲームに同時に広告を展開することができるだろう。

 adCenterでは、あらゆる規模の事業者を対象とし、広告主はWindows Live Searchでの検索に使われた特定の検索キーワードに対する広告表示権を競売形式で購入するが、DASはadCenterと異なり、セルフサービス型の広告プラットフォームではない。DASでは、Microsoftの広告販売部隊によりすべての取引が処理され、同部隊が広告主となる大規模企業や広告会社などに直接対応する。ただし、Microsoftの製品やサービスについてのある程度の調査を広告主自らが行えるようにする関連サイトが用意される予定である。例えば、人口統計学的に見た特定のグループを選び、そのグループにおける各MSN Webサイトの人気度をランク付けするようなツールが提供される見込みだ。

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