YouTube対抗サービス「Soapbox」でも使われるMS得意の集客方法とは(1/2 ページ)

Microsoftは、一躍人気サイトとなったYouTubeに対抗する動画投稿サービスのMSN Soapbox、および質疑応答サービスのWindows Live QnAという2つの新しいユーザー投稿型のオンラインサービスのβテストを実施している。その集客には、同社得意の方法が展開される。

» 2006年10月03日 07時00分 公開
[Matt Rosoff,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 Microsoftはエンドユーザー投稿型の2つの新しいオンラインサービスの提供を予定している。1つはMSN Soapboxで、一躍人気サイトとなったYouTubeに対抗する動画投稿サービスである。もう1つはWindows Live QnAと呼ばれる質疑応答サービスだ。

 どちらのサービスも2006年夏の終りにβテストを実施しているが、コンテンツの乏しさは否めない。リリース時のコンテンツ不足は、コンテンツが充実していないためにアクセス数が伸びず、アクセスが少ないためにコンテンツ投稿が活性化されないという負のサイクルを生み出しかねない。

 したがってMicrosoftは、既存の実績あるオンラインサービスからSoapboxおよびQnAへとユーザーを誘導するアプローチを取ることになる見込みだ。

YouTubeに対抗、「MSN Soapbox」をリリース

 ユーザーによる動画投稿サービスサイトは、近頃急速に成長を見せているインターネットサイトの1種だ。その火付け役となったYouTubeは2005年12月に開設されたばかりだが、米国で最も人気のあるサイトの第40位にランクインしている。YouTubeの2006年7月の月間ビジター数は、前月比で20%の伸びを記録し、1500万を超えている(ComScore調べ)。また、動画投稿サービスは、オンライン市場でのMicrosoftの宿敵GoogleとYahoo!も既に提供を開始しているほか、Revvupなどその他の新興企業も同分野に参戦している。

 Microsoftは2006年9月に、MSN Soapboxのクローズド(招待制の)βテストを開始し、この分野への進出を始めた。Soapboxは、2004年1月にリリースされたMSN Videoの一環として提供される。MSN Videoは、ライセンスコンテンツ(リアリティTVやMSNBCからの動画クリップなど)を提供するサイトである。

 また、MSNエンターテインメント担当ジェネラルマネージャのRob Bennett氏によると、同サイト上の新しい広告スペースは即買い手がつくといい、広告収入源としても成果を収めている。MSN Soapbox上での広告販売は予定されていないが、面白い動画や人気のある動画クリップはMSNの編集者によりMSNサイト上の広告サポートセクションに再投稿される可能性がある。

 競合サービスと同様に、Soapboxでも最高で100MBまでの動画をアップロードでき(長さの制限はない)、簡単な説明を付加できる。視聴ユーザーは動画を15種類のカテゴリをブラウズするか、キーワードを使って検索し、再生することができる(ダウンロードは不可)。また、コメントを書き込んだり、他のWebページ(ブログなど)に埋め込むこともできる。不適切な内容のコンテンツや著作権のあるコンテンツを発見した場合は、Microsoftに報告をすると、直ちに該当するコンテンツが削除されるようになる予定だ。

 またSoapboxは、操作面でYouTubeよりも優れている点がある。例えば、コメントの投稿や他の動画クリップの検索などほかの作業を実行していても、別のウィンドウで動画を継続して再生できる。

 ただし、閲覧ユーザーの間ではYouTubeにはエンドユーザーが投稿した動画の膨大なコレクションが存在すること、投稿者の間ではこのような動画を求めてアクセスする膨大なユーザーベースが存在することが知られている。このようなネットワークの影響力を考えると、YouTubeとの戦いは苦戦を強いられることになるだろう。

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