Googleに続き、MSが人気SNS「Facebook」と提携する狙い(1/2 ページ)

Microsoftは米国で人気のSNS Facebookに広告を配信する契約を結んだ。今回の提携は、Microsoftのオンライン事業の業績向上につながる可能性がある。また同社は、QwestおよびVerizonとの提携を拡大しており、これはWindows Liveへのトラフィック増加につながるだろう。

» 2006年09月20日 07時00分 公開
[Matt Rosoff,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 Microsoftは、米国で人気のソーシャルネットワークサイトFacebookにオンライン広告を配信する契約を結んだ。この提携は、Microsoftのオンライン事業の収益増加につながる可能性がある。また、同社はQwestおよびVerizonとの提携を拡大している。これは、Windows Liveへのトラフィック増加につながるだろう。これら2006年8月の一連の動きからは、Windows LiveとMSNを統括するMicrosoftのオンラインサービス部門が、強敵GoogleとYahoo!を相手に広告収入とユーザーの獲得を狙い、どのようなパートナー戦略を展開しようとしているかを見て取ることができる。

米第2位のSNS「Facebook」に広告を配信

 Facebookは、もともと大学生のみを対象としていたソーシャルネットワークサイト(SNS)だ。ユーザーは各自でシンプルなホームページを作成し、同じ大学の学生とネットワークを築くことができる。同サイトは設立以来サービスを提供するネットワークを拡大し、高校、企業、特定の地域など大学以外のネットワークも受け入れるようになってきている。Facebookは900万人を超える登録ユーザーを擁し、2006年7月の米国内のユニークビジター数は1440万人を記録している(ComScore調べ)。米国では第2位のSNSだが、登録ユーザー数1億、米国内の月間ビジター数5460万人を誇る第1位のMySpaceからは大きく引き離されている。

 今回の提携は2006年秋から3年間の契約で、Facebookのバナー広告およびスポンサーリンクをMicrosoftが独占的に提供する。この提携は、Microsoftにとって初のメジャーな広告配信契約となる。Microsoftは2006年始めに同様の契約を結ぼうとAOLに働きかけていたが契約に至らなかったとされている(AOLはGoogleとの契約を続行している)。

 また今回の契約は、Microsoftが自社開発した広告プラットフォームのadCenterをMicrosoftのサイト以外にどのように展開しようとしているかを示す最初の事例でもある。現在adCenterによる広告配信は、広告主がある検索キーワードに対して入札を行い、MSN SearchやWindows Live Searchでの検索連動型広告スポットやその他の関連するMicrosoftサイト上での広告表示権を獲得する仕組みになっている。例えば、“車”という検索キーワードに対する広告表示権を落札できた場合、この広告主の広告が新車購入についての電子メールを書いているユーザーのWindows Live Mail Desktopクライアント内の広告スポットに表示されるという具合だ。今回の提携により、adCenterを通じて配信される広告はFacebookにも表示されるようになる。この場合の広告収入はMicrosoftとFacebookの両社間で分配されるが、契約条件については公表されていない。

 今回の契約は、GoogleとMySpaceとの間で交わされた同様の広告配信契約のすぐ後にまとめられた。GoogleはMySpaceを所有するNews Corp.に対して、今後3年間で9億ドルの支払いを約束しており、9ヶ月間はMySpace上での広告およびWeb検索サービスを独占的に提供する。また、Googleはその他のFox InteractiveのWebサイトに対しても、同様のサービスを提供する。

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