運用アウトソーシングのグローバル活用事例システムマネジメント最前線(2/2 ページ)

» 2006年11月30日 08時00分 公開
[敦賀松太郎,ITmedia]
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実際のトラブルで効果を実感

 Oracle EBSの運用管理が導入ベンダーのCSKからサトーに移り、Oracle On Demandの利用を開始したのは2005年7月。現在は、国内の会計システムの運用管理部分をオラクルに委ねている。また、シンガポールのサトー・インターナショナルでは、Oracle EBSのシステム自体を米国オースチンにあるオラクルのデータセンターに預けて運用しているとのことだ。

 Oracle On Demandの効果を感じたのは、システムがダウンするというトラブルが実際に発生したときだという。

 「当社では、会計システムとしてアプリケーションサーバとデータベースサーバの2台を運用していますが、そのサーバが相次いで止まったことがありました。そのときは復旧するまでに約5時間かかりましたが、これがもしOracle On Demandを利用していなかった場合、1日で復旧できたかどうかもわかりません。Oracle On Demandでは、復旧するまでに原因を特定されていて、後日、障害レポートという形で原因や対処方法を丁寧に説明してもらいました。このときは、入っていて助かったと感じましたね」(田村氏)

 もちろん、トラブルが発生していない場面でも頼れる存在だという。

 「Oracle On Demandでは、ユーザーから出た要望を報告すると、その要望の解決策を提示してくれます。例えば、専用の個別パッチを作って適用してもらったこともあります。ユーザー側から見ても、頼れる存在だと思います」(情報システム部主任、伊藤久美氏)

情報システム部主任、伊藤久美氏

他システムへの導入も決定

 サトーでは、Oracle EBSによる会計システムに続き、Oracle Databaseを採用している自社開発の生産・販売系基幹システムでもOracle On Demandを導入するという。

 「生産・販売系システムは、当社のメインシステムで重要です。ところが、このシステムのスループットが最近悪くなっています。保守契約を結んでいるハードウェアベンダーは、ディスクI/Oにボトルネックがあると言いますが、システム環境やアプリケーションのプログラムにも大きな瑕疵があると考えています。そうした不具合の部分をOracle On Demandで診断し、解決したいと考えています。2005年7月から会計システムでOracle On Demandを採用してきましたが、システム環境面を含め、いろいろなアドバイスを受けてきました。そこで、生産・販売系システムでもオラクルの力を借りたいわけです」(小柴氏)

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