自社の経験から生まれた、サーバ統合コンサルティングメニューを開始

日本ヒューレット・パッカードはユーザーのニーズに合わせモジュール化したITコンソリデーションのコンサルティングサービスを開始する。

» 2007年02月27日 19時03分 公開
[ITmedia]

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2月27日、ITシステム統合のための新サービスを発表した。このサービスは、ITコンソリデーション(=統合)を実施する初期段階において、計画・企画の支援を行うもの。日本HPでは、これまでもITコンソリデーションに関する製品・サービスを提供していたが、これらを6つのサービスに体系化・モジュール化することで、より適切な支援体制をとることができるという。

 日本HPでは、今回の新サービス発表の背景として、多くの企業でITコンソリデーションの必要性を感じているものの、実際に着手するにあたっての不安要素が多いことを挙げている。この不安要素を解消するため、戦略の策定から現状のIT資産の棚卸し、機器の導入や運用の方法まで、ITコンソリデーションの各フェーズに即したコンサルティングを行う。

 HPは自社内のITコンソリデーションにも取り組んでおり、米国内の85カ所のデータセンターを3拠点・6カ所に統合している。これにより、特に、大きなコストを占める電源・冷却関連を最適化し、光熱費を25%削減できたという。今回提供されるサービスには、自社での経験も生かされている。

サービスメニューの解説をする、日本HP マーケティング統括本部 インフラソリューションマーケティング本部 担当部長 久保耕平氏

 同社の例では、これまで垂直に構成されていたITシステムを水平統合させることにより、部門ごとのシステムリソース、運用コスト、人的リソースを最適な形で配分することが可能になったという。

 また、これにより、これまでアプリケーションやインフラの維持に用いられていた「守りのコスト」を削減することができる。そのため、ITへ投資などの「攻めのコスト」の投入が可能になり、社内情報環境の革新を行うことができるとのことだ。

 さらに、J-SOX法や災害対策など、差し迫った課題への対応にも、ITコンソリデーションが貢献することは多い。システムが統合されたことにより、構成がシンプルとなり、法令対策や災害対策の対象の絞込みが容易になり、コストと手間が削減できるのである。

 今回発表された6つのサービスは、以下のとおり。

1.ITコンソリデーション ビジョニングワークショップサービス
ビジネス目的達成のためのコンソリデーションの位置づけや必要性を明確にし、実施にあたっての障害の洗い出しと社内の合意形成を行う。

2.ITインフラ環境棚卸しサービス
UNIXサーバ、x86サーバ、ストレージを対象に、IT資産の棚卸し調査支援を行いインフラ環境の傾向と分布を分析・可視化する。

3.ITインフラ環境分析サービス
UNIX、x86サーバを対象に、コンソリデーションの機会を見つけ、移行後のハイレベルデザインと効果試算を行う。

4.Tインフラ運用評価サービス
IT運用状況を把握しITILのプロセスベースで評価し、報告する。

5.ITコンソリデーション サイジングサービス
x86サーバを対象に、サーバ利用率を実測し、統合後のキャパシティや構成をシミュレーションする。

6.ITコンソリデーション 基本構想策定支援サービス
効果的なコンソリデーションを進めるために必要となる、現状把握/基本方針の策定/ハイレベルデザイン/期待効果試算/移行計画の策定といった一連のフェーズを支援するサービス。ユーザーの課題を整理してあるべき姿にまとめ、中長期的な施策の方向性を統一する『基本構想』の策定支援を行う。

 日本HPでは、ITコンソリデーションはユーザーニーズの多い分野で、案件数ベースで昨年同期比で倍になっているという。今回発表された上記6つのサービスの展開により、さらに倍を目指すとのことだ。

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