我々のビジョンが完成した――米SalesforceベニオフCEO

セールスフォースはこのほど国内最大規模のユーザーとなる日本郵政公社へサービスを開始する。日本での新たなビジネス展開も始まるという。

» 2007年04月19日 15時11分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 米Salesforce.comのマーク・ベニオフCEOは4月19日、東京都内で日本における事業動向について説明を行った。

 冒頭、ベニオフCEOは「我々が長年提唱し続けてきたオンデマンドサービスのビジョンがいよいよ世界規模で実現のものとなり始めた。特に日本での成長ぺースはめざましい」と挨拶した。

マーク・ベニオフCEO

 国内のユーザー数は、過去12カ月で40%ほど増加。同日には、国内最大ユーザーとして日本郵政公社に5000ライセンス以上を、三菱UFJ信託銀行銀行にも600ライセンスを提供すると、セールスフォース・ドットコムから発表された。

 ベニオフCEOは、「日本最大規模の金融機関が我々のサービスを選び、金融業界でも本格的に情報をオンデマンドサービスで管理する時代になった。郵政公社の民営化に最大限貢献したい」と述べた。

 セールスフォース・ドットコムの宇陀栄次代表取締役社長は、「採用までに1年半ほど検討を重ねてきたが、将来の利用拡大にも耐える当社サービスのスケーラビリティを認めてくれたようだ」とコメントした。

SaaSのプラットフォームが完成

 SalesforceはCRMやSFA領域を皮切りに、近年ではビジネスのアイディアを募るコミュニティサービス「ideaExchange」や開発者向けの「Successforce.com」、販売から代金回収までを行えるオンラインプラットフォーム「AppStore」、ファイル共有サービス「AppEexchange」を相次いで開設してきた。

セールスフォースが展開するプラットフォーム

 米DELLが、ideaExchangeをベースにしてユーザーが情報を共有できるコミュニティサービスを始めるなど、ユーザー企業がSaleforceのプラットフォームを利用して次々と新たなビジネスを展開しているという。

 こうしたビジネス開発支援の一環として、セールスフォース・ドットコムは2007年夏までにベンチャー企業を対象としたインキュベーション施設を都内に開設する。同社では資金面を除いた支援を行う予定で、利用条件は事業開発にSalesforceのプラットフォームを利用することだけだとしている。

米国では1月に開設されたインキュベーション施設

 また、英語で提供するSuccessforce.comも近日中に日本語でもサービスを始め、Webアプリケーションの開発環境を提供していく。

 ベニオフCEOは、「我々が提供するのは新しい『バージョン』ではなく、新しい『ビジョン』。インターネットに接続して、ビジネスを成功に導くプラットフォームを世界に広げていく」と締めくくった。

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