一部の変更は、VistaとXPのUIを明確に差別化することを目的としたものだ。ユーザーがこのルック&フィールの変更のメリットを実感することは難しいが、Microsoftがトレードショーや小売店のデモでこの新OSのプロモーションを行う上では有効だった。また、これらの変更は、AppleのOS Xの機能に匹敵するもので、XPのリリースからVistaがリリースまでに4回も更新されているAppleに対するWindowsの競争力維持を狙っている。
サードパーティの開発者は、開発したアプリケーションがVistaの新しいルック&フィールを確実に利用できるよう、一工程が必要になる場合がある。これは社内アプリケーションでは優先度が高い作業ではないが、商用アプリケーションの場合は、Vistaに合わせてユーザーインタフェースを変更しておくことで、今後数年にわたりMicrosoftが展開するであろう大規模なマーケティングに便乗できるかもしれない。
Aero Vistaのほとんどのバージョンに、Aeroと呼ばれる新しいグラフィックテーマが搭載されている。Aeroには、次のような機能が含まれる。
Aeroには高性能なグラフィックスカードが必要なため、Vistaにはほかのテーマも用意されている。例えば、3D効果がない全バージョンで提供される“ベーシック”や、“ベーシック”よりもやや手の込んだWindows Vista Home Basicエディション(Aero機能が搭載されない)でのみ提供される“スタンダード”、完全に古いユーザーインタフェースと同じではないが(例えば、Windowsエクスプローラの新しいナビゲーションコントロールとスタートメニューが使われている)Windows 2000を踏襲した“クラシック”がある。
サイドバー 新しいWindowsサイドバーは、スクリプトベースの対話型アプリケーション“ガジェット”をWindowsデスクトップ上で直接実行できるようにする。時計やカレンダーなど、幾つかのガジェットが事前にインストールされるほか、700以上のガジェットをWindows Live ギャラリーから無償でダウンロードできる。ガジェットは、AppleのOS Xの機能ウィジェットに匹敵するものである。
サイドバーガジェットは、販促目的で有効に利用できる可能性がある。例えば、コンシューマアプリケーションの簡易版としてガジェットを作成し、フルバージョンへのアップグレードを促すことができる。また、Webサービスを利用しやすくする上でも一役買えるだろう。例えば、eBayガジェットを使用すると、ブラウザを使わなくとも、デスクトップから直接オークションの状況をトラックできる。
なお、サイドバーガジェットは、Windows Liveガジェットとは同じではない。後者は、ユーザーによるカスタマイズが可能なMicrosoftのWebページ(Live.comのホームページや、ブログサービスのSpacesなど)での使用を目的としている。
壁紙 Vistaでは組み込みの“壁紙”(背景画像)が大幅に増えた。また、Windows Vista Ultimateを使用している場合は、DreamSceneと呼ばれる動く壁紙をダウンロードできる。DreamSceneは、Vista Ultimate Extrasパックでも幾つか無償で提供されている。また、WinCustomizeでは、サードパーティーがDreamSceneを開発できる無償のソフトウェアをリリースしているほか、DreamSceneの投稿やダウンロードが可能なWebサイトを運営している。DreamSceneは、例えば新しいビデオゲームや新着映画のプロモーションといった使い方ができるだろう。
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