Vistaの新しいUIと機能、その有効利用を考える(3/3 ページ)

» 2007年06月23日 00時30分 公開
[Matt Rosoff ,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版
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新しいルック&フィール

 一部の変更は、VistaとXPのUIを明確に差別化することを目的としたものだ。ユーザーがこのルック&フィールの変更のメリットを実感することは難しいが、Microsoftがトレードショーや小売店のデモでこの新OSのプロモーションを行う上では有効だった。また、これらの変更は、AppleのOS Xの機能に匹敵するもので、XPのリリースからVistaがリリースまでに4回も更新されているAppleに対するWindowsの競争力維持を狙っている。

これは、Windows Vistaの新しいインタフェース機能を示すデスクトップ画面である。画面中央は、WindowsキーとTabキーを同時に押して、開かれているすべてのウィンドウを斜めに立体的に並べるフリップ3D機能を実行した様子だ。矢印キー、Tabキー、またはマウスのホイールを使うと、これらのウィンドウを順送りできる。各ウィンドウの枠はAeroグラスと呼ばれる機能により、半透明で表示されている。画面右側に並んでいるのは、デスクトップ上で稼働する小型のスクリプトベースのアプリケーションWindowsサイドバーガジェットである。なお、この画面では、新しいAeroユーザーインタフェーステーマを使用しているが、このテーマは一部のバージョンでは提供されていない

 サードパーティの開発者は、開発したアプリケーションがVistaの新しいルック&フィールを確実に利用できるよう、一工程が必要になる場合がある。これは社内アプリケーションでは優先度が高い作業ではないが、商用アプリケーションの場合は、Vistaに合わせてユーザーインタフェースを変更しておくことで、今後数年にわたりMicrosoftが展開するであろう大規模なマーケティングに便乗できるかもしれない。

Aero Vistaのほとんどのバージョンに、Aeroと呼ばれる新しいグラフィックテーマが搭載されている。Aeroには、次のような機能が含まれる。

  • 半透明のウィンドウ(Aeroグラス)
  • フリップ3D:開いているウィンドウの重なりを3Dで表現したもの。開いているウィンドウをすべて一度に確認でき、これまでより素早く簡単にウィンドウの選択を切り替えることができる。
  • ライブタスクバーのサムネイル:カーソルを載せると、ウィンドウを開いた状態をプレビューできる。

 Aeroには高性能なグラフィックスカードが必要なため、Vistaにはほかのテーマも用意されている。例えば、3D効果がない全バージョンで提供される“ベーシック”や、“ベーシック”よりもやや手の込んだWindows Vista Home Basicエディション(Aero機能が搭載されない)でのみ提供される“スタンダード”、完全に古いユーザーインタフェースと同じではないが(例えば、Windowsエクスプローラの新しいナビゲーションコントロールとスタートメニューが使われている)Windows 2000を踏襲した“クラシック”がある。

サイドバー 新しいWindowsサイドバーは、スクリプトベースの対話型アプリケーション“ガジェット”をWindowsデスクトップ上で直接実行できるようにする。時計やカレンダーなど、幾つかのガジェットが事前にインストールされるほか、700以上のガジェットをWindows Live ギャラリーから無償でダウンロードできる。ガジェットは、AppleのOS Xの機能ウィジェットに匹敵するものである。

 サイドバーガジェットは、販促目的で有効に利用できる可能性がある。例えば、コンシューマアプリケーションの簡易版としてガジェットを作成し、フルバージョンへのアップグレードを促すことができる。また、Webサービスを利用しやすくする上でも一役買えるだろう。例えば、eBayガジェットを使用すると、ブラウザを使わなくとも、デスクトップから直接オークションの状況をトラックできる。

 なお、サイドバーガジェットは、Windows Liveガジェットとは同じではない。後者は、ユーザーによるカスタマイズが可能なMicrosoftのWebページ(Live.comのホームページや、ブログサービスのSpacesなど)での使用を目的としている。

壁紙 Vistaでは組み込みの“壁紙”(背景画像)が大幅に増えた。また、Windows Vista Ultimateを使用している場合は、DreamSceneと呼ばれる動く壁紙をダウンロードできる。DreamSceneは、Vista Ultimate Extrasパックでも幾つか無償で提供されている。また、WinCustomizeでは、サードパーティーがDreamSceneを開発できる無償のソフトウェアをリリースしているほか、DreamSceneの投稿やダウンロードが可能なWebサイトを運営している。DreamSceneは、例えば新しいビデオゲームや新着映画のプロモーションといった使い方ができるだろう。

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