福利厚生は電子マネーで――インテルらが推進するスマートデジタルライフとは

インテルとMS、ビットワレットが2006年から進めるスマートデジタルライフ推進プロジェクトの進捗が報告された。

» 2007年07月04日 02時28分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 インテルとマイクロソフト、ビットワレットは7月3日、3社が共同で取り組む「スマートデジタルライフ推進プロジェクト」の活動報告を行った。電子マネー「Edy」を利用したインターネットサービスやハードウェアの展開についてのビジョンも紹介された。

 同プロジェクトは2006年6月から開始され、デジタル技術を活用した豊かな生活スタイルの実現に向け、具体的なサービスモデルについて3社が実証実験を行ってきた。

プロジェクトの進捗を報告したインテルの吉田和正共同社長

 まずプロジェクト全体の進捗については、インテルの吉田和正代表取締役共同社長が報告を行った。プロジェクトでは、1)Edy対応サービスの倍増、2)Edy対応ハードウェアの出荷3倍増、3)Felicaのオンライン取引高の倍増――が目標として設定され、Edy対応サービスは2006年12月に、Felicaのオンライン取引高は5月にそれぞれ目標を達成した。

 Edy対応ハードウェアの出荷もFelicaポートを搭載するPCの出荷が順調に推移し、「07年度末には達成できる見通し」(吉田氏)という。また電子マネーを生活サービスに浸透させる技術要件について、ユーザーインタフェースと認証・取引における安全性確保の2点が、3社の取り組みから明らかになったとしている。

プロジェクトを通じて実現を目指すスマートデジタルライフのサービスモデル

 各社の取り組みでは、インテルがつくばエクスプレス(TX)でのWiFiサービスのインフラおよび沿線地域のポータルサービスの提供、つくば事業所内カフェテリアへのEdy決済システムの導入、携帯電話のFelica機能を認証に用いた映像配信サービスを展開した。

 マイクロソフトは、中小企業のIT化支援やシニア層向けキャンペーンなどを通じたインターネットリテラシー向上のためのマーケティング活動やEdyをサポートするWindows VsitaのMedia Centerを利用したコンテンツ配信を行ってきた。ビットワレットは、Edyの利用環境拡大に向けたパートナーシップの強化やキャンペーンなど施策を実施した。

1枚のEdy付き社員証で身分証明や買物などの特典利用などさまざま使い方が可能に

 ビットワレットの真鍋マリオ代表取締役社長は、「ユーザーがEdyを積極的に利用するようになる“アクティベーション”を推進に注力した」と話す。このために、例えば企業では社員証にEdy機能を持たせ、福利厚生の1つとして提携店舗で社員がEdyの特典を受けられるといったモデルが考えられるという。

 これらの成果を踏まえインテルでは、IT用を苦手とする人が多いとされるシニア層や主婦層を対象に、スマートデジタルライフのサービスを利用しやすいハードウェア条件を策定。持ち運びができる軽量性やスタイラスなどで直感操作ができるタブレットスタイル、電子マネーでの認証・決済機能の実装などを定めている。

インテルの要件を基にPBJが開発を進めるスマートデジタルライフのサービス利用に最適なタブレットPC。秋の発売を計画する

 今後は、シニア層や主婦層などを中心に引き続きスマートデジタルライフの具体的なサービス展開や利用のあり方について3社で検証を進めていくという。

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