インタビュー
» 2007年07月25日 07時00分 UPDATE

いまなぜグリッド・コンピューティングなのか?――IBMのアラン・ガネック氏に聞く (1/3)

オートノミック・コンピューティングの世界的権威でもあるIBMのアラン・ガネック氏に、グリッド・コンピューティングの可能性を聞いた。

[米田聡,アイティセレクト]

 科学技術計算に代表されるハイパフォーマンス・コンピューティングの分野で注目されてきたグリッド・コンピューティングだが、エンタープライズ分野にも着実に広がりつつある。

 5月30日、東京国際フォーラムにてグリッド協議会などが主催するGridWorld 2007が開催された。その基調講演には、IBMのバイス・プレジデントを務め、またオートノミック・コンピューティングの世界的権威でもあるアラン・ガネック氏が登壇した。

 ガネック氏は、システムダウンなどにより企業が巨額の損失を被る事例などを挙げながら、ITサービスの品質がビジネスの成功を左右する。そして、そのためのキーテクノロジーがグリッド・コンピューティングであると強調した。

 グリッド・コンピューティングで、なぜ高品質のサービスが実現できるのか。ガネック氏はIBMのグリッド・コンピューティング対応アプリケーションサーバ「WebSphere XD ObjectGrid」を挙げ、サービスを停止することなく負荷の増大に合わせて、柔軟にサーバを増減する例を紹介した。また、グリッド・コンピューティングと仮想化を応用し、サーバの数を10分の1以下に減らし、システム運用コストの大幅な削減を実現した大手アジア系金融機関の例などが紹介された。

 ガネック氏の講演はグリッド・コンピューティングがエンタープライズ分野に現実に広がりつつあることを実感させるものといえる。ガネック氏に、グリッド・コンピューティングのエンタープライズ分野への浸透について、より踏み込んで話を聞いた。

Alan_2.JPG IBMコーポレーション
ソフトウェアグループ Tivoliソフトウェア CTO
バイス・プレジデント オートノミック・コンピューティング担当 アラン・ガネック氏

――グリッド・コンピューティングに代表される分散コンピューティングは決して目新しい技術ではありませんが、いまなぜ再びグリッド・コンピューティングに注目が集まっているのでしょうか?

ガネック 確かに、私がこの業界に入ったときから、ずっと話題に上っていたテーマです。

 ご存じのようにグリッド・コンピューティングに早くから取り組んでいたのはアカデミックの分野です。アカデミックの世界では当初から、コミュニティー主導の開発が進められてきましたが、エンタープライズの分野では、そのような手法はあまり好まれませんでした。

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