3GとWiMAXが共用可能に、NECが無線用プログラマブルプロセッサ開発

NECは、次世代の高速無線規格にソフトウェア更新のみで対応できるプログラマブルプロセッサを開発した。

» 2007年10月19日 20時49分 公開
[ITmedia]

 NECは10月19日、ソフトウェア更新のみで複数の次世代高速無線規格に対応できるプログラマブルプロセッサを開発したと発表した。無線基地局や端末開発への利用が期待される。

 開発されたプロセッサは、無線のベースバンド処理を専用LSIではなくソフトウェアベースで実行するもの。新規格に対応する場合、専用LSIでは回路変更などの再設計が必要となるほか、汎用DSPやFPGAなどの従来型のプログラマブルプロセッサでは演算量の増加に備えるためのコスト増が課題になっていた。

 新しいプログラマブルプロセッサは、「スーパー3G(または3.9G、LTEなど)」と呼ばれる次世代の携帯電話システムやWiMAX(IEEE802.16e)、次世代無線LANのIEEE802.11nに共通採用された「MIMO-OFDM」通信方式のFFT/DFT処理に対応する。

 また、演算器を2次元アレイ状に並べるアレイ型プロセッサ構成で、無線信号処理の稼働率を80%以上に向上させた。さらには、隣接する演算器同士を接続するシストリックアレイアーキテクチャを採用し、チップ内の配線面積の削減と300MHz以上の高速動作、省電力化を実現した。

 このプログラマブルプロセッサを利用することで、新規格の無線通信サービスが開始される場合に、ソフトウェアの更新だけでサービスに対応できるようになる。無線基地局の装置や携帯端末など、幅広い機器での利用が期待される。開発コストも汎用DSPやFPGAに比べて10分の1になるという。

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