報道メディアは“中立”なのか――ブロガーの見解オルタナブログ通信(2/2 ページ)

» 2007年11月13日 08時54分 公開
[森川拓男,ITmedia]
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 かつて筆者は、とあるケータイ会社でSEをしていた。その時分から、一つ気になっていたことがある。日本は精密機械を作るのが得意なのに、なぜ日本のケータイ規格が世界規模にならないのか、ということだ。加藤恭子氏「きょこ コーリング」携帯電話と菊池凛子さんで触れられているように、日本という狭いパイの中でシェア争いは激しい。しかし、世界市場で見た場合、日本のケータイシェアは決して高くない。

 昔、竹村健一氏の翻訳で『日本の陰謀―官民一体で狙う世界制覇』という本を読んだことがある。これによれば、今ごろコンピュータの心臓部は日本企業が握っていてもおかしくはないのだが、その翻訳が出版されてから20年を経てみれば、心臓部は結局米国企業のものだ。

 この2つの事柄には、同じ根っこがあるのかもしれない。

 その一方で日本のケータイ市場は、加藤和幸氏「てくてくテクネコ」に投稿されたケータイはプレミアムの時代にあるように、プレミアム、マニアックに向かっている面も否定できない。シャア専用ケータイまで出現しているのだ(関連記事)

 機能面でも、ますます本来の「電話」から離れていく傾向にある。末岡洋子氏「欧州の視点」では、モバイル決済、2011年には5200万人が利用と、ケータイによる決済が急増していく予想を紹介、さらに林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」パソコンと携帯電話の価格と機能が逆転する時代という興味深い指摘をしているのだ。ノートPCが格安化する一方で、高機能ケータイの割高化が起きつつあるというのである。

 今後、ケータイの世界がどうなっていくのか、注視したい。

駅前留学の破綻

 「駅前留学」という言葉を広めた英会話学校NOVAが10月26日、大阪地裁に会社更生法の適用を申請した。同地裁は財産の保全管理命令を出している。これから会社更生法によって再建できるかどうかがカギとなるだろう。

 北添裕己氏「トラパパ@TORAPAPA」会社はなかなかつぶれないし簡単につぶしちゃいけないでは、このことを受けて、IT業界での例を挙げて考察している。今後、数多い外国人講師や受講生も含め、きちんとした対応が行われるよう見守りたい。

 このほかには、オルタナティブ・ブログらしいエントリーが幾つか投稿されていた。加山恵美氏「C'est la vie」は、NOVAの頂点についての都市伝説、という気になる書き込みをしている。筆者はNOVAにレベルがあることは知らなかったので、非常に興味深かった。加藤京子氏「加藤京子のスクール2.0」では、かつて仕事をしたという経験から、より具体的にいま、NOVAを検証する 〜1レッスンの価値、そして使い道〜というエントリーを投稿している。また、林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」NOVAから学ぶネットワーク・コミュニケーション社会の進化はネットワーク社会の発達が、NOVAの役割の1つを終わらしたのではないかという指摘をしており、思わずうなずいてしまった。それぞれ目を通してもらうと、報道されない部分が見えてくるかもしれない。

メディアの中立性

 それにしても最近はさまざまな事件が多い。それも、ある特定の出来事に関するものが多いのが気になる。

 例えば朝青龍や亀田問題であったり、食品の偽装問題である。それぞれを報じるメディアは、コメンテーターなどを通じて様々な情報や意見を発信する。我々はそれを受け取るわけだが、よく言われることが「報道メディアの中立性」だ。

 このことに一石を投じたのが、岩永慎一氏「THE SHOW MUST GO ON」編集姿勢の偏向は当たり前だと思い続けたい私は変かな?。正直、その通りだと筆者は考える。

 しかし、最近のマスメディアの偏向はひどすぎるかもしれない。それはすべて視聴率に振り回され過ぎだからかもしれないが、辻俊彦氏「キャピタリストの視点」マスメディアのいじめといったことがなくならないのだ。

 一方で、いろいろと持ち上げられていることに関しても、山口陽平氏「一般システムエンジニアの刻苦勉励」岡田斗司夫さんをめぐる騒動にあるようなことは、ワイドショーで取り上げない。ハッキリした問題点が出るまでは、持ち上げ続けるのだろうか。朝青龍や亀田兄弟のように。今後に注目したい。

 最後に、気になったエントリーを2つほど紹介しよう。

 加藤恭子氏「きょこ コーリング」第1声は売込みだった・・・は、自戒の意味も込めて読んだ。実際、自分もやってしまっていたかもしれない……反省。

 松尾公也氏「CloseBox and OpenPod」ボスの新曲がラジオでかからない理由は、ラジオのリスナーとしてはかなり興味深い。筆者がよく聞くTBSラジオでは、「ではここで、〜の〜をお聞きください」という曲のCMが流れることがあるが、そのような裏もあるのかと感じた。

 以上、10月25日から31日にかけてオルタナティブ・ブログに投稿された200を超えるエントリーの中から、筆者が気になったキーワードから幾つかピックアップさせていただいた。

 しかし、いつもの連載通りではあるが、大多数のエントリーは取り上げることができなかった。まだまだ取り上げたいと思ったエントリーはたくさんある。本記事を読んで、少しでも興味を持ったものがあれば、ぜひオルタナティブ・ブログのほかのエントリーを直接、読んでほしい。

 お気に入りブロガーを見つけたら、直接ブログをRSSでチェックするといい。

 ITの今を知る、新たな発見があるだろう。

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